出版社内容情報
147通にも及ぶ膨大な脅迫状、600点以上の遺留品、さらには目撃、尾行までされながら、ついに時効の彼方へと逃げ込んだ「グリコ森永事件」犯人グループ。
その中心人物、かつ司令塔となったのが、「キツネ目の男」だった。
グリコの江崎勝久社長を自宅から拉致して監禁、身代金を要求するという「実力行使」から、青酸入りの菓子と脅迫状の組み合わせによって裏取引し、企業からカネを奪おうとする「知能犯罪」、そしてメディアや世論を巻き込んだ劇場型のパフォーマンスまで、日本の犯罪史上に残る空前絶後の事件だ。
しかし、犯人グループは、その「痕跡」を消しきれていなかった。
当時、第一線で捜査にあたった刑事、捜査指揮した警察幹部、犯人グループと直接言葉を交わした被害者、脅迫状の的になった企業幹部など、徹底した取材で事件の真相をえぐり出す。
「少なくとも6人いた」という犯人グループの、役割分担、構成にまで迫る!
「キツネ目と仲間たち」の全貌が、闇の向こうから浮かび上がる――。
内容説明
拉致された青年、被害企業の経営陣らに刻まれた犯人の姿と声「犯罪はスポーツや」足かけ12年の圧倒的な取材。小説を超えた、「真実」だけが持つ迫力。
目次
序章
1 堤防道路 運命の15秒
2 けいさつのあほどもえ―147通の手紙
3 「キツネ目の男」登場
4 天国から地獄―森永製菓の闘い
5 滋賀県警の一番長い日
6 虚勢の果て
7 キツネ目と仲間たち
終章
著者等紹介
岩瀬達哉[イワセタツヤ]
1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿 社会保険庁を解体せよ」で文藝春秋読者賞を受賞。2020年、『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』(講談社)によって日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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