出版社内容情報
たしかに。すばるは宇宙人だ。ほかのだれとも違う。何かを秘めている。この山には駿馬の知らなかった景色がある。すばるが見上げていたこの空で、何かが駿馬を待っている――。耳元で、ばちっと音が聞こえたような気がした。(本文より)/短距離走者(スプリンター)として期待されながらも、走れなくなった駿馬は、たったひとりで小惑星探索にいどむ昴と出会う。中学二年生の夏の物語。
「小惑星を発見して、名前をつけるのが、おまえのやりたいこと?」
無言でうなずいたすばるに、駿馬は息を呑む。
「……わかんないけど、その夢、ハードル高すぎね? むずかしいんじゃないの」
「ハードルの高さは関係ない。あんたはむずかしかったから諦めるのか? ……夢」
ビー玉みたいな目が駿馬を射貫く。浮かべた笑みは、挑発、いや、嘲笑だ。
駿馬はぽかんと口を開けた。
ジャブなしの右ストレート、またはロープに振らない三角飛びドロップキック。
――強烈。 (本文より)
短距離走者(スプリンター)として期待されながらも、走れなくなった駿馬は、たったひとりで小惑星探索にいどむ昴と出会う。中学二年生の夏の物語。
内容説明
必要なら、何百夜かけてでも全天を捜索する。それが、掃天。短距離走者として期待されながらも、走れなくなった駿馬は、中学二年生の初夏、たったひとりで小惑星探索にいどむすばると出会う。
著者等紹介
黒川裕子[クロカワユウコ]
作家。京都外国語大学学士(日本語学)、エディンバラ大学修士(犯罪学)。2017年に、『奏のフォルテ』で第58回講談社児童文学新人賞佳作入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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