講談社学術文庫<br> 大清帝国への道

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講談社学術文庫
大清帝国への道

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062920711
  • NDC分類 222.06
  • Cコード C0122

出版社内容情報

北方の小集団はいかにして大帝国を築いたか
華夷秩序を超越し、「3つの顔」をもつ世界帝国=清朝は、多民族国家・現代中国の原型だった。ヌルハチから康熙・雍正・乾隆まで、大帝国の若々しい盛期を描く。
(原本タイトル『大清帝国』を改題)

内容説明

従来、「異民族の征服王朝」もしくは「最後の中華王朝」とのみ捉えられてきた清は、満・漢・藩の「三つの貌」を持つ帝国だった。ヌルハチが統合した北方の一小国は、やがて長城を越えて北京に入城し、さらに中央アジアを制圧、康煕・雍正・乾隆という三帝のもとで最盛期を迎える。満洲語史料を読み解き、現代に続く多民族国家の形成過程を解明する。

目次

序章 天安門から満漢全席まで―大清帝国と現代中国
第1章 三つの貌を持つ帝国
第2章 民族統合・建国から大清国の成立―初代ヌルハチと第二代ホン=タイジの時代
第3章 中国内地への進出から絶対君主権の確立へ―第三代順治帝・第四代康煕帝・第五代雍正帝の時代
第4章 最大版図の形成―第六代乾隆帝の時代
第5章 「華夷一家」多民族王朝の確立
終章 帝国末期の改革と保守―大清帝国から満洲国へ

著者等紹介

石橋崇雄[イシバシタカオ]
1951年埼玉県生まれ。東京大学文学部卒、同大学大学院博士課程修了。現在、国士舘大学教授。専攻は中国清朝史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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HANA

69
おおよそ260年の長きに渡り中国を支配した清。本書はその成立から康熙帝・雍正帝・乾隆帝の最盛期、そして滅亡までを描く。ここでの最大の特徴は清が異民族王朝として中国を支配する上で最大の問題の「華」と「夷」を中心に論じている事と、満・華・藩の三重帝国としての側面を描いている事かな。特に「華夷一家」やそれに準じての先帝の著書の発禁とか、割と清事態の中のぐだぐだ感も感じられて面白い。逆に末期は通説をまとめたものとなっているが、こういう過渡期の歴史って面白いのでこちらも満足。中国最後の王朝の歴史、面白かったです。2021/07/08

崩紫サロメ

23
清朝を「華に代わる夷が華夷秩序統合の夢を実現させた「華夷一家」統一多民族王朝」と捉え直し、それが現代中国の統治の基盤となっていくということを辿る。従来清は入関前と入関後で断絶する(=中国史の一部となっていく)と捉えられていたが、父・石橋秀雄氏の清初論や、壇上寛氏の元明連続論などを継承し、清朝が中華世界をも内包する一世界に過ぎない「華夷一家」(正確には夷華一家)の世界帝国として描く。壇上氏の『永楽帝』と併せて読むとより面白い。清の時代区分論や開国伝説も収録されており、興味深い。2021/04/26

coolflat

16
清の領域拡大過程がよくわかる。清朝の領域拡大過程は6つの大きな段階に分かれている。①ヌルハチの属していた建州部統合の象徴であるマンジュ国の樹立。②東北部における女真族統合の象徴であるアイシン国の形成。③大清国の成立。④四代康煕帝による中国統一。⑤支配権確立の象徴である五代雍正帝による絶対君主権確立。⑥その支配権確立を背景とする藩(モンゴル・チベット・ウイグル)併合の象徴である六代乾隆帝による最大版図の形成。最終段階はその完成部分のみならず、中国に君臨する王朝の中でイスラム世界の一部を支配下に唯一収めている2020/03/06

MUNEKAZ

10
ヌルハチから乾隆帝までが中心の一冊。もともと部族連合から始まった後金が、満・漢・蒙を中心とする多民族国家「大清国」へと発展していく中で、夷が華を統治するという実態をいかに論理付けしていったか、そして満・蒙の部族連合的な色彩の強い宮中で皇帝権の確立をどう進めたか。元朝以来の征服王朝でありながら、明朝の後継者としての色合いも持つ清朝だけに、その民族的な緊張への対処が革新性や活力を生む原動力となったのは興味深い。またウイグルや内蒙古ら藩部への扱いが、現代中国の自治区へとつながっているというのも面白い。2017/09/16

読書履歴

5
2000年刊行の講談社選書メチエ『大清帝国』の文庫版(2011年刊)。改題の上、嘉慶帝から宣統帝までの時代が終章として付加。また清朝の時代区分が諸説挙げられている補論と『賢業典礼』という開国伝説の抄訳が付されている(字が細かいけど)。八旗制度、ハンとベイレの位置づけなどを説明しながら、10世紀以降の北・東北アジア世界と長城内の漢族世界の緊密化を背景として清朝がその始まりから統一複合多民族国家(複合部族国家)としての性格をもっていたことを示し、ヌルハチから嘉慶帝即位までを6つの時期に区分して光を当てている。2013/10/08

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