出版社内容情報
名誉、沈黙(オメルタ)、暴力……大土地所有制、民衆運動、ファシズム……シチリアの風土と社会が生んだマフィアの実像とは?「シチリア。道化芝居と悲劇が絶え間なく繰り返されるその人間の大スペクタクルをよりよく理解するには、マフィアをわかる必要がある」 シチリアの過酷な風土と圧政とが育んだマフィア。大土地所有制の下で、18世紀に台頭した農村ブルジョワ層は、暴力と脅迫でイタリア近・現代政治をも支配した。謎の組織の誕生と発展の歴史を辿る。(講談社学術文庫)
はじめに
第一章 マフィアの誕生
1 名誉とオメルタ
シチリア人の心理的メカニズム/オメルタ(沈黙)とは/マフィア精神/他
2 農村から都市へ
マフィアの誕生と発展/大土地所有者とガベロットの関係/他
第二章 マフィア王国の成立
1 幼虫から蝶へ
義務兵役制への抵抗/「セッテ・エ・メッゾ」の反乱/シチリア調査議会委員会の発足/他
2 ノタルバルトロ殺人事件
シチリア銀行の腐敗/モンテチトーリオのアスカリ/パリツォーロの裁判/他
3 「シチリア・ファッシ」
シチリア最初の組織的民衆運動/「シチリア・ファッシ」とマフィアの関係/他
4 初代の大ボス、ドン・ヴィート
ボスの中のボス/犯罪組織「マーノ・ネーラ」/アメリカ人警察官ジョゼフ・ペトロジーノ殺人事件/他
第三章 ファシズムとマフィア
1 マフィアとファシズムの共存期
山賊とマフィア/第一次世界大戦後の社会・政治混乱とファシズムの誕生/他
2 ファシズムのマフィア撲滅政策
「鉄の知事」モーリ/ガンジ村の山賊一掃/マフィア撲滅作戦/他
第四章 シチリア独立運動と山賊とマフィア
1 連合軍シチリア上陸作戦への協力
ハスキー作戦/連合軍政府とマフィア/ラッキー・ルチアーノ伝説/他
2 シチリア独立運動
「シチリア民族」という意識/フィノッキアーロ・アプリーレの指導/他
3 山賊ジュリアーノの生涯
第二次世界大戦後の経済・社会混乱/「モンテレープレの王」/他
第五章 企業家としてのマフィア
1 大土地所有制は死に、マフィアは生き残った
ナヴァーラとリッジオの抗争/新旧マフィア/跡目を継いだジェンコ・ルッソ
2 シチリア・マフィアと「コーザ・ノストラ」の連携
一九五七年のトップ会議/ルチアーノとカモルラの接近/若いボスたちの登場/他
主要参考文献
あとがき
学術文庫版あとがき
藤澤 房俊[フジサワ フサトシ]
著・文・その他
内容説明
「シチリア。道化芝居と悲劇が絶え間なく繰り返されるその人間の大スペクタクルをよりよく理解するには、マフィアをわかる必要がある」シチリアの過酷な風土と圧政とが育んだマフィア。大土地所有制の下で、一八世紀に台頭した農村ブルジョワ層は、暴力と脅迫でイタリア近・現代政治をも支配した。謎の組織の誕生と発展の歴史を辿る。
目次
第1章 マフィアの誕生(名誉とオメルタ;農村から都市へ)
第2章 マフィア王国の成立(幼虫から蝶へ;ノタルバルトロ殺人事件;「シチリア・ファッシ」)
第3章 ファシズムとマフィア(マフィアとファシズムの共存期;ファシズムのマフィア撲滅政策)
第4章 シチリア独立運動と山賊とマフィア(連合軍シチリア上陸作戦への協力;シチリア独立運動;山賊ジュリアーノの生涯)
第5章 企業家としてのマフィア(大土地所有制は死に、マファイアは生き残った;シチリア・マフィアと「コーザ・ノストラ」の連携)
著者等紹介
藤澤房俊[フジサワフサトシ]
1943年、東京に生まれる。早稲田大学大学院博士課程修了。文学博士。東京経済大学教授。著書に、『赤シャツの英雄ガリバルディ―伝説から神話への変容』(第十一回マルコ・ポーロ賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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