講談社文芸文庫<br> 使徒的人間―カール・バルト

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講談社文芸文庫
使徒的人間―カール・バルト

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  • サイズ 文庫判/ページ数 389p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062901604
  • NDC分類 191.9
  • Cコード C0195

出版社内容情報

聖書の徹底的な読み直しによって、イエスに従う使徒の真の意味を見出したバルト。「使徒」というあり方の現代的意味を問う長篇評論。

聖書の徹底的な読み直しによって、イエスに従う使徒の真の意味を見出したバルト。「使徒」というあり方の現代的意味を問う長篇評論。

内容説明

理性への信頼に基づく近代主義、あるいは人間中心主義を根底とした自由主義神学の内部から、それを打ち破るかのように登場したカール・バルト。神学を人間学へと解消する潮流に抗し、キリストと行動をともにした使徒によるドキュメントとして聖書をとらえ、神の言葉と啓示がもつ直接性の復活を果たす。使徒という存在に近代の超克を読みとり、来るべき人間として思想と文学の起点にすえる、画期的な長篇評論。

目次

発見
衝動
境界
接線
言葉

宗教的人間
自由
自然神学
追思考〔ほか〕

著者等紹介

富岡幸一郎[トミオカコウイチロウ]
1957・11・29~。文芸評論家。東京生まれ。大学在学中の1979年、「意識の暗室―埴谷雄高と三島由紀夫」で第22回群像新人文学賞評論優秀作を受賞、文芸評論家としてデビュー。83年、中央大学文学部フランス文学科卒業。86年、初の評論集『戦後文学のアルケオロジー』を刊行。現在、関東学院大学文学部比較文化学科教授、オピニオン誌『表現者』編集長。また2012年には鎌倉文学館館長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヴェネツィア

58
バルト神学の入門書。1916年の転換から1968年の死に至るまでのカール・バルトの牧師、神学者としての軌跡を追いつつ、彼の神学の本質に迫ろうとした長編評論。もちろん、この本の著者富岡幸一郎の解釈のフィルターを通してなのだが、バルトがいかにそれ以前(特に19世紀以降の自由主義神学)の神学とは決定的に反対の方向に立っていたことがよくわかる。すなわち、人間の実存(それは神の死にほかならない)の側からの神と人の結びつきではなく、あくまでも神の側にこそ主体を置くのがバルト神学の画期的かつ本源的な立脚点だった。2013/07/15

マウリツィウス

19
【神学を学び始めて/随想】カール・バルトの託した遺産を省みる。古代教会史の刻んだ「使徒信条」の朗読からバルトのことを知った、とは過言ではない。当初の「福音主義」鮮明定義を知るまでに「使徒パウロの伝道」を新約聖書ギリシャ語原典から繙いていく。Nestle=Aland編集の記述によれば「使徒パウロ」の表記は「Ω」、つまり「使徒信条」を内包している。使徒パウロ/神学者バルトは「古典時代ではなく新約時代」への架橋をつなぎとめた。「聖書を知る、学ぶ」バルトはそれを教えてくれた。「信じること」と「論証」は矛盾しない。2014/03/09

マウリツィウス

17
【福音主義神学諸論】バルトによる『ローマ書』以降の神学変遷を辿れる。そして旧約聖書時代に住む《悪魔》を彼が排斥するために如何に新約期の弁証法導入を再現しなくてはならないか、その検討事項を伺うことも出来るだろう。使徒時代に確立されたバルト神学論原型を理解した神学者たちを継承することで現代文明における神学位置は定着するもグノーシスの温床と根源とは《人類普遍の罪意識》への誤認によるものであるとするならば『ローマ書』刊行以降のキリスト論によってイエス=メシア認識への再起論は更新課題にある。/弁証法神学の定義序論文2013/07/15

マウリツィウス

17
【KARL/BARTH=APOSTEL】「福音主義神学」革新を齎した神学者を使徒の現身とする論著だが、新約聖書史におけるバルト存在とはドイツ福音主義からは敬遠されるも神学位置を明確確立=20世紀以降ポストモダニズムから神学を防護した鉄壁をも意味する。バルト/ハルナック/天使論/魔女狩り論考に及び聖書史を完全再現していく遂行論書は最終的にはバルト基準における神学論を達成した功績を兼ね《文学神話化》されたバルト論集は該当否定、新しくも神学は文学を意味しないことからこの著は福音主義神学随想ではなく啓蒙書を意味。2013/06/21

マウリツィウス

15
【KIRCHLICHE/DOGMATIK/『教会教義学』概論集】富岡幸一郎氏によるカール・バルト論集の序論。古典主義との対峙根拠において《新約聖書正典化問題》に触れなければならない。《使徒的人間》と称されたバルトの本質の《錬金術師》系譜にあるヘルメス論の超克をも意味した『教会教義学』とはいわば《KARL/BARTH》=スイスにおける福音主義神学の目覚めをも同時表記した。古典主義とは《新約聖書》との対峙概念であるとするならばこの区分けを明確化した古典主義定義をバルトが消滅させるために賭した《教義学序論》-。2013/08/08

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