出版社内容情報
心優しき無頼派・色川武大。幻の処女作から没年作まで秀作12を精選。
朽ちかけた貸部屋に我物顔に出入りする猫、鼠、虫達。いつしか青年は、凄まじい<部屋>を自分と同じ細胞をもつ存在と感じ熱愛し始める――没後10年目に発見された色川武大名義の幻の処女作「小さな部屋」、名曲“アイル・クライ・トゥモロウ”そのままの流転の人生を辿る女を陰影深く描く「明日泣く」等12篇。戦後の巷を常に無頼として生きながら、文学への志を性根にすえて書いた色川武大の原質とその変貌を示す精選集。
内藤誠(映画監督)
高度成長とバブルのばか騒ぎも体験したあとで、あらためて色川武大が書いたものを読んでいると、いまさらながら、彼の作品に出てくる異能の登場人物たちになんとも言えぬ懐かしさをおぼえる。(略)人生の大半を大学生として過ごしてきたという友人だとか、さしたる理由もないのに平然と作家宅に居候をきめこむ人物などを、彼らのあるがままに受け入れて、魅力的な存在にしてしまう、色川文学のスケールに、わたしたちは虚実をこえて読みふけるのである。――<「解説」より>
※本書に収録した作品のうち、「小さな部屋」は「文学界」(1999年5月号)を、その他の作品は、福武書店刊『色川武大 阿佐田哲也全集』第1巻、第3巻、第5巻(1991年11月、12月、1992年7月)を底本として使用しました。
色川 武大[イロカワ タケヒロ]
著・文・その他
内容説明
杤ちかけた貸部屋に我物顔に出入りする猫、鼠、虫達。いつしか青年は、凄まじい“部屋”を自分と同じ細胞をもつ存在と感じ熱愛し始める―没後一〇年目に発見された色川武大名義の幻の処女作「小さな部屋」、名曲“アイル・クライ・トゥモロウ”そのままの流転の人生を辿る女を陰影深く描く「明日泣く」等一二篇。戦後の巷を常に無頼として生きながら、文学への志を性根にすえて書いた色川武大の原質とその変貌を示す精選集。
著者等紹介
色川武大[イロカワタケヒロ]
1929・3・28~1989・4・10。小説家。東京生まれ。東京市立第三中中退。終戦後は博打と無頼の日々を送る。1961年、「黒い布」で中央公論新人賞。69年より“阿佐田哲也”名で連載を始めた「麻雀放浪記」のシリーズが大ロングセラーとなり、大衆作家としての地歩を固める一方、「生家へ」など本名の“色川武大”名義の純文学作品でも高い評価を得た。77年、「怪しい来客簿」で泉鏡花文学賞。78年、「離婚」で直木賞。82年、「百」で川端康成文学賞。89年、「狂人日記」で読売文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
showgunn
ねなにょ
ふくしんづけ
刳森伸一
くるるる
-
- 和書
- 日常性の心理療法