講談社文芸文庫
世界文学「食」紀行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 344p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900430
  • NDC分類 904
  • Cコード C0195

内容説明

若き日、『アンナ・カレーニナ』の冒頭に描かれた生牡蛎の描写に生唾を呑み、『夜明け前』に鏤めてある食べ物の描写に文学を読みとる手がかりを得た博覧強記・文芸のグルマン篠田一士が、古今東西の文学作品に描かれた美味・珍味・嘉肴を選びぬき、味わいつくす美食を巡る文学の旅。文学の喜びを語り続けた著者が、読者を洗練された生の充実の時へと誘う、口腹の楽しみを謳ったアンソロジー。

目次

1 食卓につく前に
2 御馳走のメニュー
3 お酒は吟味して
4 まず前菜から
5 スープいろいろ
6 海の魚・川の魚
7 肉料理から架空料理まで
8 デザートの一品

著者等紹介

篠田一士[シノダハジメ]
1927・1・23~1989・4・13。文芸評論家・英文学者。岐阜市生まれ。東京大学英文科卒。1951年、丸谷才一らと同人誌「秩序」を発刊。無類の読書家として知られ、関心は英米文学からヨーロッパ全域、またラテン・アメリカ文学におよんだ。文芸評論では、近代日本の私小説的風士に反撥し、作品に即して文学的経験を語った。音楽を愛好し、食通としても知られた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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seacalf

36
見開き2ページでひとつの作品を紹介しているのでさくさくと読みやすい。欧州の文学作品は言うに及ばず、漢詩ひとつとっても唐詩、宋詩、韓国、越南と幅広い読書遍歴には舌を巻くばかり。まだ未読の作品に食べ物や料理からアプローチするのもありだと思う。美味しそうな描写の紹介のみならず、続きが読みたいと思わせる結びの演出もにくい。文士たちが集まったというパリのレストランの「一度口をつけたら美味のあまり革命か地震でも起こらない限り、誰もが食べるのをやめることができまいといわれたほどの絶品」ボルドー風ザリガニ食べてみたいな。2018/11/12

うた

16
古今東西南北。小説好きならば読んだだけでお腹がすくような描写にであったことは一度ならずあるだろう。この本はどこから読んでも美味しい笑。ホメロスの焼肉、メルヴィルのチャウダー、吉田健一の日本酒、スウィフトのビール、モーパッサンのお弁当。ものを美味しそうに書ける作家はそれだけである程度信がおける。2016/06/16

きりぱい

11
世界というからには海外文学はもとより日本文学も含み、目次をざっと眺めただけでも圧倒される。読んだものから、読みたいと思いながらなおざりにしていたもの、知らなかったものまで、食の描写の抜き書きやエッセイは気楽で短く、作品を読み解く糸口のようでもありながら、あくまで食に絞っているので、皆まで言わないところに読書欲まで刺激される。2010/03/20

tora

8
ただただ、著者の読書の幅に脱帽です。古今東西、小説、随筆、詩、短歌や俳句まで、まさに縦横無尽。新聞連載というだけあって、見開きにまとまる簡潔さもいいです。ただし、ものによってはもう少し長く語ってほしいと思うものも。印象にのこったのは「卵」の章でしょうか。ちなみに、空腹時に読むのはすすめません。2013/02/15

unknown

7
古今東西の文学作品に登場した食べ物や食事シーンに焦点を当てて文学世界を巡る、楽しくも美味しい切り口が冴え渡る1冊。前菜やスープ、魚・肉、デザートや酒、果ては架空料理に至るまで、章立てで分類され、かつ簡潔にまとめられている。良質なグルメガイドとしても、また興味をそそる文学案内としても読めてしまう篠田氏の語り口は流石。長編、短編はもちろん、劇作、エッセイ、漢詩、俳句まで、俎上に載っている作品の豊かなラインナップにも圧倒されてしまう。旨そうな描写に読書中思わず唾を飲んだ経験がある人には、本書は至福のご馳走かも。2012/08/12

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