講談社現代新書<br> アメリカを動かす思想―プラグマティズム入門

電子版価格
¥539
  • 電書あり

講談社現代新書
アメリカを動かす思想―プラグマティズム入門

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 196p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062881791
  • NDC分類 133.9
  • Cコード C0210

出版社内容情報

建国以来イノベーションを繰り返し、良くも悪くも世界に大きな影響を与え続けてきたアメリカ。この国を動かしてきた思想を読み解く。アメリカ人にとっては、ふだんは、ほとんど意識すらされない彼らの血肉となっている思想、それがプラグマティズムである。実際に「プラグマティズム=知識のあくなき実践」はアメリカ社会において、ありとあらゆる局面で見られる。その結果、失敗も多くあれど、たゆまなくイノベーションが繰り返され、社会に大きなダイナミズムが生まれているのもまた事実である。本書では、プラグマティズムの起源と発展の歴史を辿るとともに、自由、民主主義、資本主義といったアメリカを代表する思想もまた、プラグマティズムがその土台となっていることを確認する。そしてさらにプラグマティズムの考え方を輸入することで、「動けなくなっている日本」に風穴をあけることを説く。アメリカを動かしているプラグマティズムを知る格好の入門書。

はじめに なぜプラグマティズムなのか

第1章 プラグマティズムの系譜
 1 アメリカ思想の系譜
 2 パースの格率
 3 ジェイムズの限定的真理
 4 デューイの道具主義
 5 ミードの社会的行動主義

第2章 プラグマティズムの展開
 1 ネオ・プラグマティズムとローティ
 2 ブランダムとマクダウェル
 3 ヘーゲルをも取り込むプラグマティズム
 4 プラグマティズムの本質─知識のあくなき実践

第3章 アメリカ思想の上部下部構造
 1 リベラリズム
 2 デモクラシー
 3 キャピタリズム
 4 宗教との関係
 5 上部下部構造

第4章 現実政治としてのリベラルと保守
 1 リベラルvs.保守
 2 ティー・パーティー
 3 3D政治哲学
 4 移民政策
 5 外交政策

第5章 イノベーション・プラグマティズムへ
 1 ウォール街から官邸前へ
 2 日本のプラグマティズム論
 3 イノベーション・プラグマティズム

主要引用・参考文献一覧

おわりに 日本のイノベーションのために


小川 仁志[オガワ ヒトシ]
著・文・その他

内容説明

アメリカが世界最強の国であり続ける理由。「思想の国・アメリカ」の土台を形成するプラグマティズム。オバマでもロムニーでも、プラグマティズムが健在である限り、アメリカは変わらない。

目次

第1章 プラグマティズムの系譜(アメリカ思想の系譜;パースの格率 ほか)
第2章 プラグマティズムの展開(ネオ・プラグマティズムとローティ;ブランダムとマクダウェル ほか)
第3章 アメリカ思想の上部下部構造(リベラリズム;デモクラシー ほか)
第4章 現実政治としてのリベラルと保守(リベラルvs.保守;ティー・パーティー ほか)
第5章 イノベーション・プラグマティズムへ(ウォール街から官邸前へ;日本のプラグマティズム論 ほか)

著者等紹介

小川仁志[オガワヒトシ]
1970年、京都府生まれ。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。哲学者、徳山工業高等専門学校准教授。米プリンストン大学客員研究員(2011年度)。商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。専門は欧米の政治哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAKAPO

28
《政治でも経済でも、とにかくプラグマティズムがアメリカ人の思考の大事な部分を占めていることは確かなようです。プラグマティズムとは、一般に「実用主義」とも訳されるように、生じた結果によって意味を決定しようとする考え方のことです。日常的な用語として、「あいつは実を取るやつだ」というようなニュアンスで、「プラグマティック」という語がよく使われているのです。》相手のコンテクストを知らなければ、ビジネス何て出来るはずがありません。それは、個々の性格ではなく、歴史や文化の中で埋め込まれたものだからです。 2012/12/01

白義

16
第二章までは要点ながらプラグマティズムの基本的発想法を極めてわかりやすく描いていて相変わらず思想解説者としての著者の力量に感嘆する。「思考や思想すらもそれが生み出す行為や結果によって測る思想」こそが民主主義や自由主義以前のアメリカ的思考の下部構造である、という指摘もなかなか慧眼な気はするのだが、しかしそこから具体的にプラグマティズムから見るアメリカ論に移行するとこれがとても陳腐な部分が多いのも否めない。最終章で脱原発デモを評価して以降はかなり空虚と著者の長所短所がくっきり浮き彫りになっているがいい本である2016/08/12

Gatsby

14
アメリカのリベラルと保守の歴史など、初歩的なこともおさえつつ、プラグマティズムの考え方が具体的にどういう形で表れているかということも書かれていて、理解しやすかった。それを読んで、アメリカという国がいかに「したたか」であるかということの理解も深まったし、その、したたかな国との付き合い方も考えさせられた。実際、日本はそのしたたかさに全くと言っていいほど対応できていないのだと思う。プラグマティズムの考え方は、日本的発想とはずいぶん異なる部分もあろうが、「知識のあくなき実践」という考え方を知る必要は大いにある。2012/12/30

ネムル

13
ちくま新書『プラグマティズム入門』の単調とも難解とも言える読みにくさから、こちらに移る。理論面はざっくりした解説で、後半から実践面やビジネスの方向に流れる。それはそれで正しいのだが、単にビジネス本を読めばいいんじゃね?という薄味さ。つまらん。2018/11/26

Ex libris 毒餃子

8
プラグマティズムを下部構造として捉える考え方は新鮮であった。2022/05/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5468298
  • ご注意事項