講談社現代新書<br> 邪馬台国をとらえなおす

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講談社現代新書
邪馬台国をとらえなおす

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  • サイズ 新書判/ページ数 245p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062881548
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0221

出版社内容情報

纒向は卑弥呼の宮殿か、箸墓は卑弥呼の墓なのか。考古学の第一人者が、最新の知見をもとに、邪馬台国と当時の日本列島の実像に迫る。箸墓は卑弥呼の墓か、纏向は邪馬台国の宮殿跡か、三角縁神獣鏡は「魏志倭人伝」の鏡か――
日本国家の起源に迫る!

邪馬台国の場所と範囲を考えるうえで、もうひとつの視点として筆者が強調しておきたいことは、列島内における古墳出現前夜すなわち弥生時代後期の東国の歴史的展開についてである。二世紀後半から三世紀前半期にかけて、東国各地の日本海沿岸地域と、太平洋岸の広汎な地域内で、土器が激しく移動していることをどうとらえるべきかという問題である――「はじめに」より

第一章 「魏志倭人伝」の謎
第二章 「魏志倭人伝」を読む
第三章 邪馬台国成立前夜――激動の東アジアと倭国大乱
第四章 鉄と鏡の考古学
第五章 土器と墓が語る邪馬台国
第六章 箸墓=女王卑弥呼の墓の可能性をさぐる


大塚 初重[オオツカ ハツシゲ]
著・文・その他

内容説明

著墓は卑弥呼の墓か、纒向は邪馬台国の宮殿跡か 三角縁神獣鏡は「魏志倭人伝」の鏡か―日本国家の起源に迫る。

目次

第1章 「魏志倭人伝」の謎
第2章 「魏志倭人伝」を読む
第3章 邪馬台国成立前夜―激動の東アジアと倭国大乱
第4章 鉄と鏡の考古学
第5章 土器と墓が語る邪馬台国
第6章 箸墓=女王卑弥呼の墓の可能性をさぐる

著者等紹介

大塚初重[オオツカハツシゲ]
1926年東京生まれ。明治大学名誉教授。登呂遺跡再整備検討委員会委員長。明治大学教授時代には、日本考古学協会会長、日本学術会議会員、山梨県立考古博物館館長、山梨県埋蔵文化財センター所長等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんやん

19
遺跡の年輪測定により、従来弥生時代後期とされていた卑弥呼の時代が古墳時代の黎明に重なることになった。奈良の纒向遺跡近くの箸墓古墳は、卑弥呼の墓としてクローズアップされる。本書は文献学上の考証(魏志倭人伝の読解)と考古学的な考証(銅鏡や土器のの製造時期・地域から分布)の両面から、箸墓古墳=卑弥呼の墓説に迫ってゆくのだが、自分のような素人には煩瑣であった。結局、魏の皇帝から贈られた銅鏡100枚すら同定されていない。箸墓は宮内庁の管轄にあり、立ち入りできない。遺跡や濠だけ掘っても限界があるだろう。モヤモヤ。2018/07/11

月をみるもの

10
さすが大塚先生の著作である。これ一冊読めば学問としての論点をほぼ網羅できる。去年測定された桃のタネの年代も、纒向説に有利な証拠と言えそう。 http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20180615_isee_1.pdf2019/01/03

hiyu

5
銅鏡、青銅器の名称等結構漢字を追いかけるのが大変ではあった。だが、総じて面白いというか、どことなくワクワクさせられるような内容。決して無理な主張もせず、種々のアプローチで丁寧に進めている。全くの素人考えで恐縮なのだが、港はどこなのだろう、どこから出発し、海を渡っていたのだろうかという疑問がある。まさか対立勢力のそこからではないだろうし。2019/09/07

プリン

4
読んだ本は『邪馬台国をとらえなおす』ですが、なぜかこんなタイトルのところにリンクされてしまいました。それはさておき、本書(もちろん『とらえなおす』の方)は考古学の泰斗による邪馬台国の検討本。類書との大きな違いは、文献(いわゆる『魏志倭人伝』)の検討はそこそこにとどめ、2世紀末から3世紀半ばまでの遺物に関する最新の考古学的知見を紹介してくれた点です。その範囲も九州と近畿だけでなく、出雲や関東、さらには北陸などの周縁地域にも及んでいます。そして結論はなかなかに刺激的。実に面白い本でした。2012/04/30

ma3

2
2世紀から3世紀の邪馬台国前後を文献史学ではなく、考古学の視座から捉え直す。考古学は難しく、よくわからないまま斜め読み。「考古学で得られたモノはウソはつかない。しかしそれを解析する段階で人間が関わざるを得ないところに考古学の難しさがある」という点に心が震えました。この本を読んで、奈良・纒向が大和政権につながる地であり、箸墓が卑弥呼の墓の可能性が高いということ。そこに想いを馳せながら、この纒向の地に立ってこの地の風景をゆっくり眺めてみたい。そんな気にさせられた一冊でした。2012/06/25

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