講談社現代新書<br> 中国社会の見えない掟―潜規則とは何か

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講談社現代新書
中国社会の見えない掟―潜規則とは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 288p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062881234
  • NDC分類 302.22
  • Cコード C0236

出版社内容情報

潜規則を知らずに中国は理解できない!
特派員のディープな取材から見えてきた中国社会を動かす「潜規則」とは!?
真実よりも優先される面子、法よりも優先される権力、形だけの裁判、言論弾圧の真実。その背景には共産党よりはるか昔から中国社会を覆う掟の存在があった。
2011年7月に起きた高速鉄道事故の背景にも潜規則は存在する!


第一章  「潜規則」とは
第二章  面子は法を超える
第三章  冤罪を生む黒箱
第四章  大事を小事に変え、小事を無にする
第五章  見せしめと「看客」
第六章  清官は貪官に淘汰される
第七章  泰山より重い家法
第八章  災難を祭典に、反省を賛美に
第九章  赤信号を渡る人々
第十章  文字には魂が宿る
第十一章 魚肉の扱いを受ける老百姓
第十二章 国旗は漢族のもの
第十三章 鬼にも神にもなる外賓


加藤 隆則[カトウ タカノリ]
著・文・その他

内容説明

不当逮捕、違法監禁、冤罪、汚職、言論弾圧、闇取引―法より優先される面子・掟とは何か?暗黙のルールが支配する中国の裏側を覗く。

目次

「潜規則」とは
面子は法を超える
冤罪を生む黒箱
大事を小事に変え、小事を無にする
見せしめと「看客」
清官は貪官に淘汰される
泰山より重い家法
災難を祭典に、反省を賛美に
赤信号を渡る人々
文字には魂が宿る
魚肉の扱いを受ける老百姓
国旗は漢族のもの
鬼にも神にもなる外賓

著者等紹介

加藤隆則[カトウタカノリ]
1962年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1986~87年、北京で語学留学。88年、読売新聞入社。東京本社社会部で司法、皇室を担当。2005年7月~11年3月まで上海支局長。11年6月から読売新聞中国総局長・(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

wiki

19
中国の一側面として儒教の理想が帝国支配の中で異形化し、様々な暗黒面が現れている事を、潜規則をテーマにプロ記者が抉り出す。「中国人が過去二千年間にわたって道徳の陳腐な議論を飽くことなく繰り返してきたにもかかわらず、国家の道徳的状況を変えることができなかったばかりでなく、賢明で廉潔な政府の出現も見なかった事実を中国人は直視すべきである」との林語堂の指摘は生々しい。著者に学ぶべきは、その中に身一つ飛び込んで理解を進めた事だ。闇は深いが、この理解において相手の苦労も知れる。互いに良好な関係を結ぶ為の一歩にしたい。2020/04/28

nizimasu

10
どうしても中国関連の読み物は、地元で生活している人や観光客の体験談と、政治や経済、歴史の評論に偏りがち。その合間を縫うような中国社会の市井の動きをフォローしているのがこの本と言えるだろう。読売新聞の中国総局の局長が見聞した中国記なれど、社会部記者出身故か日本ではあまり知られていない事件や司法制度、えん罪に、権力の腐敗を潜規則という暗黙の掟をキーワードに読み解いていく。その圧倒的な司法制度の追求は今までの本にない部分で後半の社会の慣習や汚職などについてはいささか迫力不足。この本には今まで知られざる中国がある2014/03/31

Nosuke.M

9
中国の潜規則(不文律)は普段のニュースを見ていても取り上げられない不都合な真実だが、本作が上梓された2011年から約10年経過した現在でも状況は大きく変化していないと感じる。寧ろ経済成長で得た自己肯定感を糧に愛国主義・個人崇拝の強要に拍車が掛かっている。ただ仕事柄中国の方々と接する機会が多いが、市井の人々は私徳を基軸に周囲の手の届く範囲の人間関係に重きを置き生きていて、政府など有事には何もしてくれないと冷めている。十把一絡げにして中国を語らず、隣人の文化習慣を学ぶことが相互理解に重要と改めて感じた。2020/06/28

glaciers courtesy

7
潜規則に関する研究というか、中国の主に権力を持つ者のの無法ぶりを紹介し、時々「これは中国の潜規則」というコメントが書かれているのだが、多少羊頭狗肉の感じがする。本のタイトルから想像する内容を期待して買う人には「潜規則 一 中国人は最終的には身内しか信用しない」という風に順番に潜規則を書いて、エピソードを紹介して欲しかったな。紹介されるエピソードは面白いし、著者は中国の過去の文献も良く研究していて、その点は感心するけど、モヤモヤ感が残るのだ。多数出版される中国関連本の中で人の目に止まるには仕方ないのかな。2015/04/24

おらひらお

6
2011年初版。中国の潜規則に注目し、取材を通じて現代中国の実像に迫ったものです。また、中国警察の国民と外国人に対する対応の違いも興味深いところです。とりあえず、本書に描かれたままの中国では、「中国の世紀」を迎ええることは難しそうですね。2013/03/16

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