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講談社現代新書
心のケア―阪神・淡路大震災から東北へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 229p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062881210
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0211

出版社内容情報

「心のケア」とは何だろう? そこで大切なことは?
阪神・淡路大震災以来、16年間にわたり、多くの自然災害や人為災害において心の傷(トラウマ)の回復に尽くしてきた精神科医・加藤寛が、ノンフィクションライター・最相葉月に語る。

【目次】
第1章

内容説明

心のケアの実際の活動と、そこで大切なことは―。精神科医・加藤寛が、阪神・淡路大震災以来の経験をふまえノンフィクションライター・最相葉月にわかりやすく語る。

目次

はじめに―本書の成り立ちについて(最相葉月)
第1章 東日本大震災後五十日の記録
第2章 被災者の心の傷
第3章 阪神・淡路大震災でできたこと、できなかったこと―復興期の心のケア
第4章 回復への道のり―肉親を失った二人の経験から
第5章 支援者へのメッセージ
巻末ルポ 1・17から3・11へ―兵庫県心のケアチームの百十一日(最相葉月)

著者等紹介

加藤寛[カトウヒロシ]
1958年、宮崎県生まれ。1984年、神戸大学医学部卒業。精神科医。医学博士。都立墨東病院などで精神科救急に携わり、1995年から阪神・淡路大震災の被災者支援機関「こころのケアセンター」、2004年より、トラウマの専門機関「兵庫県こころのケアセンター」に所属。現在は同センター副センター長・診療所長

最相葉月[サイショウハズキ]
1963年、東京都生まれ、神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。ノンフィクションライター。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞受賞)、『青いバラ』、『星新一―一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ささのは

28
神戸と東日本の震災で心のケア活動をされてきた精神科医の話を、ノンフィクションライターがまとめた本。壮絶な体験をされた方々にどう接したらいいのか。「これ以上、その人を傷つけないように」という言葉が印象に残った。善意からの自分の体験談も、簡単な相槌さえも被災者の孤独や哀しみを深めてしまう事がある。本当のところ、その人の気持ちはわからないという所から始める、という一文は人間関係全てにいえると感じた。支援する側の心のケアも重要課題で、人を支えるにはまず自分を労わるという話に納得した。2016/02/21

太田青磁

27
先祖代々守り続けた土地を失う喪失感は、都市の人間のそれとは大きく違います・津波は本当に残酷な災害で、死ぬか生き残るかしかなかった・引っ越しは人間にとって大きなストレス要因・話すこと自体のエネルギーとリスクを引き受けてくれたことに対して敬意を表す・調査するなら、ちゃんとそこで仕事をやって地域に貢献しないといけない・深い絶望と自責の念をもったままびくともしない悲嘆に支配されている人たちの姿は、決して報道されない・地域の風土や文化、人々の気質、美徳とされていることを理解する・ほんと、みごとに、なにもいわない2014/07/25

ぐうぐう

19
阪神・淡路大震災で被災者が抱える心の傷の治療を行い、東日本大震災においても陣頭指揮を取った加藤寛氏に、心のケアとは何かを知るために最相葉月がインタビューする新書。心のケアが被災者からは敬遠されること、被災地では心理の専門家よりも看護師が役立つこと、そして心的外傷から立ち直るには、何よりも生活再建を先に優先させなければならないことなど、現地のシビアな状況が語られている。被災者だけではなく、ボランティアや支援者、消防や医療関係者の心のケアにまで話は広がる。しかしそれらは、すべて繋がっているのだ。(つづく)2011/10/11

みねたか@

18
阪神淡路大震災,東日本大震災における精神科医,看護士などの支援チームの活動を踏まえ,被災地で活動する人やこれから支援に向かう人に向けた書。支援の基本的な態度としてまず、それ以上被災者を傷つけないこと。自分が追体験できるわけではないし100%は共感できないことを意識することが大切。加えて、自分で自分の身を守る健康管理が重要。支援者が受ける影響を回りが特に上司が理解して,部下を休ませちゃんと労をねぎらうことの大切さ。現在も九州北部豪雨で被災しあるいは支援に当たる方々がいる中,自身の拠り所を確認できた。2017/07/18

白義

15
災害時の心のケア、というと災害が起きたらすっ飛んでいっていちいちカウンセリングするようなことをイメージするが実際の心のケアとはそういうものではない。被災者の生活再建、その自立の手伝いをするもっと地味で繊細でしかし困難な仕事だ。あくまで被災者を傷付けないように全身をセンサーにし言葉に気を遣う、PTSDというのは大半が自然に治っていくのであくまでそれを早く治すための手伝いをする、という意識でいい。そして意外でもないことだが市職員など支援者側のケアがとても大切なのだという。いかに支援をするかのヒントに満ちた一冊2016/11/15

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