明治天皇の大日本帝国

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  • サイズ B6判/ページ数 390p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062807371
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0321

出版社内容情報

政治家としての成長と大帝誕生への道を辿る神道の主宰者でありながら欧化の象徴として巡幸と御真影により民衆に姿を見せ続けた天皇。維新、西南戦争、国会開設、日清・日露を経て国民国家と大帝誕生を探る

内容説明

幕末の混乱の中で皇位に就いた一六歳の少年は、いかにして「建国の父祖」の一員へと成長したか。京都を離れて江戸城跡に新宮殿を構え、近代憲法にその存在を規定された天皇の政治への意思とは。神道の主宰者にして「欧化」の象徴であり、巡幸と御真影でその姿を見せ続け、国民国家の形成とともに「万国対峙」を追求した「我らの大帝」の時代を描く。

目次

序章 欧化と復古を生きた「大帝」
第1章 小御所会議の「幼冲の天子」
第2章 京都の天皇から東京の天皇へ
第3章 明治憲法と天皇
第4章 立憲君主としての決断
第5章 万国対峙の達成
終章 君主の成長と近代国家

著者等紹介

西川誠[ニシカワマコト]
1962年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、川村学園女子大学教授。専攻は日本近代政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

17
明治維新の歴史を天皇の立場や明治天皇の視点から見直した歴史で非常に興味深く読みました。ある意味人間としての明治天皇がわかりやすく述べられているとともに日清・日露戦争への決断などが生々しく語られています。また大正天皇にも僅かですが触れられています。あまりにも明治天皇が偉大というイメージがつくられているのですが、大正時代もあまり変わらなかったような感じはします。2014/08/28

MUNEKAZ

6
天皇の視点から見る明治の日本。御所の奥に籠る権威から、維新の元勲たちが望んだ国民の前に姿を晒し、万国と対峙する能動的な君主へと変化する中で、天皇自身も政治的なアクターとして浮上し、天皇・内閣・議会の3すくみの状況が作られる過程は興味深い。また元勲たちは政変で「辞めていく」が、天皇は「辞められない」ことへの苦悩、表での欧化した姿と奥での京都時代と変わらない生活のギャップなどは、時代の転換期を生きた一人の人間としての明治天皇が窺える。2018/04/30

(ま)

1
文・雅から政治・軍事へ 欧化と復古の相克と超克と、御一新後に創られた伝統と捨てられた伝統と2022/08/17

ma3

0
天皇を軸に明治維新から大日本帝国の形成までを追いかける。明治政府の指導者層の求める天皇像と実際の天皇の姿との間にあるズレ。それをすり合わせていく過程などが描き出されており、天皇中心の明治国家を作り出したという単純な歴史的見方を覆してくれる良書です。国王(王権)と行政権、立法権とがどのような関係・バランスで構築されてきたのか。天皇が成長し、指導者層の一員として加わっていく過程等、歴史的ダイナミズムを感じさせてくれました。2013/07/11

うさを

0
明治天皇の生涯を追いながら、近代の天皇が政治的なアクターとして、いかにして位置付けられるようになっていくのかが描き出される。閣僚は簡単に辞めらるけど天皇は天皇を辞められない、という天皇自身の嘆息が印象的。国立公文書館のH25年度春の企画展に展示されていた大喪の絵を見て、明治天皇がこの激動の時代を生きた一人の個性なんだということが腑に落ちた。それまでは、抽象的にしかイメージできなかったから新鮮な感覚だった。それで、明治天皇のことが知りたくなり、本書を手にした。2013/05/20

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