講談社選書メチエ<br> 乱歩と正史―人はなぜ死の夢を見るのか

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講談社選書メチエ
乱歩と正史―人はなぜ死の夢を見るのか

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062586580
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0395

出版社内容情報

日本に探偵小説が誕生して100年。なかで一頭地を抜く「乱歩」と「正史」の位置とは? 時代・社会背景と作家・作品との関係とは?我々の現代性の黎明期、日中戦争の前/日米戦争の後、江戸川乱歩と横溝正史――二人は探偵小説の夢を創造する。
個人の日常生活を成立させるリアリズムの場に深い〈穴〉があき、あるいはリアリズムの〈場〉が〈死者〉の声に触れて崩れるとき、人間に関わる真実が独特の顔をして垣間見えることがある。
だが、この真実を表象する手段は限られている。乱歩と正史はこの真実を寓喩――殺人とその不可能図形によって描き出す。

第一章 江戸川乱歩――探偵小説の創造
第二章 乱歩の無意識――疑惑とメタ・トリック
第三章 乱歩と正史――戦争の前夜を生きる
第四章 乱歩と正史――敗戦への時代を生きる
第五章 横溝正史――本格探偵小説の創造


内田 隆三[ウチダ リュウゾウ]
著・文・その他

内容説明

江戸川乱歩と横溝正史。日本探偵小説界に燦然と輝く二つの巨星。大正の“消費と欲望”文化と“抑圧と監視”社会の微妙な均衡のなか、世の中に浸透していく“透き見=探偵趣味”に呼応するように『新青年』を始めとする雑誌を中心に探偵小説は盛り上がりを見せる。密室のトリックから猟奇的作品、少年冒険譚へと幅を拡げる乱歩。編集者から作家へ、本格探偵小説家へ転回していった正史。二人の交流と作品を分析し、近代探偵小説の系譜を概観する。

目次

第1章 江戸川乱歩―探偵小説の創造(乱歩、始まりの時代;乱歩誕生―創作の奔流 ほか)
第2章 乱歩の無意識―疑惑とメタ・トリック(作者の享楽と疑惑;「陰獣」のメタ・トリック ほか)
第3章 乱歩と正史―戦争の前夜を生きる(不吉な兆候;探偵小説のリアリティと芸術味 ほか)
第4章 乱歩と正史―敗戦への時代を生きる(乱歩―「芋虫」の精神;乱歩―転身と仮面 ほか)
第5章 横溝正史―本格探偵小説の創造(新生と回帰;痛快な条件 ほか)

著者等紹介

内田隆三[ウチダリュウゾウ]
1949年生まれ。東京大学名誉教授。専攻は社会理論、現代社会論。2014年『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?:言語と運命の社会学』(岩波書店)で本格ミステリ大賞(評論・研究部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

61
乱歩と横溝、戦前戦後の探偵小説二大巨頭の評論。作品の構造から社会の流れが二人に与えた影響まで、様々な視点から論じられている。構成的に戦争を間に挟んで、戦前は乱歩、戦後は横溝を中心に論じているが、それだけではなく当時の社会が探偵小説に与えた影響等も具体的に書かれていて興味深い。特に横溝の評論で「家」と作品の関係は論じられていたが、作品中に死者の意思が介在するというのは面白い視点。確かにあの作品もあの作品も、犯行の裏にはそれが横たわっているなあ。あと乱歩と横溝、全作品を読んだ前提で書かれているので注意が必要。2017/09/27

そうたそ

25
★★☆☆☆ 相当きめ細やかな分析のされた力作だろう。ただ自分が思うような内容ではなかったという上でこの評価だが。内容は専門性がやや高く、ビギナーお断り感がするのは致し方ない。近代ミステリを彩った乱歩・正史の両著者を好む人なら読んで損はないだろう。じっくりと読み深めるべき内容であっさり読むにはもったいない出来だ。2017/09/15

ともひろ

18
これは難しい本でした。日本の本格探偵小説のパイオニアとなった江戸川乱歩と横溝正史に関する評論。抑圧された戦前と、戦後。すれ違う二人。横溝正史は書きたくて書きたくて戦後を迎えた。昭和20年台に書かれた小説は今なお色褪せることなく、推理小説の金字塔となっている。大学の先生が書いただけあって、非常に難しい本ですが、改めて論点を整理するには良い本でした。2017/10/14

かんがく

15
タイトルよりも乱歩寄り。彼らの書く小説の変遷と、大正から戦後への時代の推移が丁寧に記述されている。『人間椅子』と田山花袋『蒲団』、『芋虫』と三島由紀夫『憂国』の比較など他作家との横断的な分析も多く、面白く読めた。2021/02/04

山猫

10
あれれ、2人の関わりとその産物としての作品にどう投影されているのかという話かと思ったら、半分以上が乱歩研究じゃありませんか。正史ファンとしては甚だ不満でした。2018/01/08

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