講談社選書メチエ<br> 弁証法とイロニー―戦前の日本哲学

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講談社選書メチエ
弁証法とイロニー―戦前の日本哲学

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  • サイズ B6判/ページ数 210p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062585538
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C0310

出版社内容情報

田辺元と保田与重郎を二つの極に、ハイデガー・ベンヤミンらと同時代の思想的営為として戦前期昭和の思想を読み解く比較哲学史の試み

戦前期、「近代」を問う日本の知識人たちは何を思想的課題とし、何を思考し続けていたのか。田辺元の「弁証法」と保田与重郎の「イロニー」を二つの極に、三木清の「人間学」・萩原朔太郎の「デカダンス」の思想を媒介項とすることにより戦前期昭和思想の思想地図を大幅に書き換える。同時に、ハイデガー・ベンヤミンらと同時代の思想的営為として世界の哲学思潮の中に戦前期昭和の思想を位置づける画期的著作。

内容説明

戦前期、「近代」を問う日本の知識人たちは何を思想的課題とし、何を思考し続けていたのか。田辺元の「弁証法」と保田与重郎の「イロニー」を二つの極に、三木清の「人間学」・萩原朔太郎の「デカダンス」の思想を媒介項とすることにより戦前の思想地図を大幅に書き換える。同時に、ハイデガー・ベンヤミンらと同時代の思想的営為として戦前期の思想を世界の哲学思潮の中に位置づける意欲作。

目次

プロローグ なぜこの二つの語なのか(二つの語から連想されること;ロマン派とイロニー ほか)
第1章 田辺元の弁証法、あるいは発出論批判(田辺の人間性;京都学連事件について ほか)
第2章 架橋的思索者としての三木清(日本哲学史における位置づけ;三木における弁証法とイロニー ほか)
第3章 イデオロギー論とイロニー―三木清と保田与重郎の交わるところ(保田と京都学派との関係;人間学からパトスへ―「イデオロギーとパトロギー」の問題設定 ほか)
エピローグ 比較哲学史のすすめ(田辺とフランス象徴詩;絶対弁証法から種の論理へ ほか)

著者等紹介

菅原潤[スガワラジュン]
1963年生。東北大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、長崎大学環境科学部教授。専門は近現代ドイツ思想、環境哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ころこ

23
異なる文化圏の文脈で、同時代に同じ問題意識を持っていた。ポストモダンが退潮した中で、19世紀後半に台頭した現象学・解釈学を再解釈する、比較哲学史と呼ばれている動きが出るのは理解できます。田辺元は、ヘーゲルの観念的弁証法とマルクスの唯物論的弁証法の異同を分析して、シェリングの悪論とカントの個人的人格論を取り込んだ自身の絶対的弁証法が、ヘーゲル・マルクスの弁証法よりも優れていると主張します。他方、保田与重郎のイロニーとは、理念(思想家)と実践(大衆)とのギャップを、亀井勝一郎のように、真面目に埋めようとしない2018/04/24

mstr_kk

1
テーマが知りたいこととドンピシャだったので読んだが、基礎知識がないので消化できなかった。戦前日本の思想と、同時代までのヨーロッパ思想との「比較哲学史」の試みであり、平易なのだが、フットワークが軽くて、振り回されて終わった。面白くはあったので要再読。2013/06/05

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