内容説明
ひとくに「日本語」と言うが、それはいったいどこの言葉なのだろうか?本書では、北は青森県から南は沖縄県、さらにブラジルの日系人社会まで、各地で使われているさまざまな言葉を観察することによって、日本語の多様性を発見する旅へと誘う。その道のりでは、均一で単一な「標準語」だけが日本語なのでは決してないことが発見され、さらには、各地の方言が世界の言語と共通する普遍的なあり方をしていることさえあることが明らかになるだろう。言語学の最前線で研究が進展している言語類型論の手法を用いて、世界各国の言語と方言・標準語を自在に横断する、刺激的な日本語論。
目次
1 「あっこに花子ちゃんがいてる」―存在をいかに言い表すか
2 「桜の花が散りよる/散っとる」―標準語は世界標準じゃない!
3 「落ちよった!」―目撃者の文法・エヴィデンシャリティー
4 「生ちゅとーてーさやー」―テンスが伝えるのは時間だけじゃない
5 「花子、美人でら」―美しいのは今日だけ?現象と本質の違い
6 「おかあさん、干してある」―「シテアル」にひそむ地域差
7 「花子、元気ない」は「花子は元気だ」―ふらふらする形容詞と形容動詞
8 「全部食べれれんかった」―可能をいかに言い表すか
9 「ねえ花子、明日学校来る」―質問が尻上がりイントネーションとは限らない
10 「みんなでシュラスカリア、アジューダしよる」―言語接触と日本語
著者等紹介
工藤真由美[クドウマユミ]
1949年愛媛県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は現代日本語文法論
八亀裕美[ヤカメヒロミ]
1964年大阪府生まれ。本名・吉村裕美(八亀は筆名)。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中退。博士(文学)。現在、京都光華女子大学准教授。専攻は言語学、日本語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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センケイ (線形)
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栗きんとん
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