ブルーバックス<br> 宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト―どこから来るのか、なぜ起こるのか

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ブルーバックス
宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト―どこから来るのか、なぜ起こるのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062578578
  • NDC分類 440.12
  • Cコード C0244

出版社内容情報

宇宙最大のエネルギーを放出するガンマ線バーストから宇宙の一番星は見つかるのか。宇宙の起源を解き明かす鍵を握る謎の現象に迫る。ガンマ線バーストは、電磁波の一種であるガンマ線が大量に放出される「宇宙最大の爆発」のこと。数千億の星を集めた銀河よりもずっと明るく輝く想像を超えた大規模な爆発です。最近では恐竜の大絶滅の原因ではないかという説もあります。
ガンマ線バーストの発見は、米ソ冷戦下におけるアメリカの核爆発探知衛星による偶然の産物でした。どこかの国が核実験をしたために起きたものだと考えられ、秘密裏に研究が進められました。地球ではなく宇宙で起きたことが分かり、情報が公開されてからも、たった数十秒しか続かない短い現象を詳細に観測することは難しく、長らく謎の現象とされてきました。
研究が進展したのは、発見から30年たってからのこと。ガンマ線バーストが起きてから数日間、X線や光を出すことがわかったのです。その光を観測したところ、その起源は、数十億光年もの遠方だとわかりました。これほど遠くで起きるにも関わらず地球でも観測できるほどの大爆発だったのです。
また、はるか遠方で起きることから、ガンマ線バーストによって宇宙の起源が解明できるのではと言われています。数十億光年の距離を光が旅するには数十億光年の時間がかかります。つまり、遠くから来るガンマ線バーストをみることは、数十億年前の宇宙をみることでもあります。様々な場所から届くガンマ線バーストを観測すれば、宇宙はどのように始まったのか、最初の星はどのように生まれたのか、謎に包まれた暗黒の時代を照らし出すことができると考えられているのです。
では、この爆発を起こしたのは誰だろうと、犯人捜しが始まりました。観測の進歩によってブラックホールとの関連や、巨大な星が死ぬときに発生することも明らかになりました。しかし、犯人が見つかっても、ガンマ線バーストがどのように起こるのかは分からなかったのです。
たった1個の星の起こす爆発が、どうして数千億の星を集めた銀河よりも明るく輝くのか? そのエネルギーはどこから来るのか? 観測結果が集まっても研究者たちはそれをうまく理解できなかかったのです。その謎をとく鍵は相対性理論にありました。
巨大な爆発はどこでどのように起こるのか? ブラックホールや相対性理論はどのようにかかわってくるのか? 宇宙の起源や生物の大絶滅との関係は? 宇宙物理学で、今もっとも注目される現象を、第一人者が繙いていきます。

第1章 ガンマー線バーストの発見と性質
第2章 ガンマ線バーストの観測競争と大論争
第3章 本命の登場
第4章 ガンマ線バーストの理論
第5章 宇宙の一番星を探す 
第6章 ガンマ線バーストはいたるところに登場する


村上 敏夫[ムラカミ トシオ]
著・文・その他

内容説明

宇宙で最大で最強の巨大な星の爆発はいままで知られていた超新星爆発ではなかった。巨大な爆発はどこで、どのように発生するのか?長い論争の果てに下された意外な結論とは。ブラックホールとの関係、宇宙の歴史、生命大絶滅との関係…。宇宙物理学で今もっとも注目される現象をひもといていく。

目次

第1章 ガンマ線バーストの発見と性質
第2章 ガンマ線バーストの観測競争と大論争
第3章 本命の登場
第4章 ガンマ線バーストの理論
第5章 宇宙の一番星を探す
第6章 ガンマ線バーストはいたるところに登場する

著者等紹介

村上敏夫[ムラカミトシオ]
1947年愛知県生まれ。1975年名古屋大学大学院理学研究科博士課程中退。理学博士。同年東京大学宇宙航空研究所助手となり、その後文部省宇宙科学研究所助手、同助教授、東京工業大学連携併任助教授、国立大学法人金沢大学理学部と理工学域教授などを歴任。2013年に金沢大学を退職し現在名誉教授。専門はX線ガンマ線宇宙物理学。日本におけるガンマ線バーストの観測を開拓してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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