出版社内容情報
「人食いザメは存在しません!」――世界で唯一人の「シャークジャーナリスト」が命がけで世界中のサメを体当たりレポート!わたしは「シャークジャーナリスト」という肩書きで、テレビ番組でサメの解説をしたり、専門学校でサメの講義をするなど、サメだけに特化した情報発信を生業にしています。仕事柄、わたしはサメに関するいろいろな質問をよく頂ききます。そのほとんどがこういった内容です。
Q サメに襲われない方法を教えてください。
Q 日本にも人食いザメはいるのでしょうか。
わたしはきっぱりこう答えます。
「人食いザメは存在しません」
人類よりも先、この地球に4億年前からすみつづけるサメは世界中に500種類以上存在し、百人いえ、百鮫百様なのです。全長17メートル(これまで確認された者最大サイズ)の「最大の魚類」ジンベエザメから、手のひらサイズのツラナガコビトザメまで、分布や生息域、繁殖方法も多様性に富み、その生態についてはまだまだわかっていないことが多い生物です。サメと聞いてUSJにある「ジョーズ」のモデルになったホホジロザメだけが思い浮かんだなら、哺乳類の説明をするときにライオンだけをみて、哺乳類を語ったり(実際にはネズミもカモノハシもヒトも哺乳類です)、フェラーリだけをみて車すべてを理解したように思うのと同じことです。
2017年7月20日、「久慈浜海水浴場にサメ30匹 遊泳禁止」というニュースが世間を騒がせました。こんなニュースを目にするたび、わたしは強い憤りを感じます。このときも水族館職員が調べたところ、出現したサメは、「ドチザメ」という種で、水族館のタッチプール水槽で飼われて子どもたちがよく触れているサメのひとつでした。「人食いザメは存在しません」――詳しくは本書を読んでいただくとして、怖いとしか認識されていない、サメの本当の姿を世の中に伝えるべく日々奮闘中のシャークジャーナリストが、地球上の海を旅して見たり食べたりの体当たり図鑑、ぜひご覧ください。
沼口 麻子[ヌマグチ アサコ]
著・文・その他
内容説明
巨大ザメも深海ザメも存在します。でも、人食いザメは、存在しません。世界でたったひとりの体験的シャークジャーナリストの本!
目次
第1章 サメのよろず相談室(「人食いザメ」ってどこにいるんですか?;『ジョーズ』ってホホジロザメが人を食べまくる映画でしたよね?;キャビアってサメの卵ですよね? ほか)
第2章 わたしの体当たりサメ図鑑(カグラザメ―別名アベカワタロウ神々しいアルカイックスマイル;サガミザメ―リンゴの香りがする深海ザメの出産に立ち会う;ミツクリザメ―まるでマジックハンドのように顎が飛び出す「悪魔のサメ」 ほか)
第3章 わたしの世界サメ巡礼(1杯4万5000円のフカヒレラーメン!―横浜中華街;フカヒレだけじゃない美味しいサメ肉選手権―青森・栃木・ドバイ;ゆく年くる年を、サメ料理とともに過ごす―新潟県上越市 ほか)
著者等紹介
沼口麻子[ヌマグチアサコ]
1980年生まれ。東海大学海洋学部を卒業後、同大学院海洋学研究科水産学専攻修士課程修了。在学中は小笠原諸島周辺海域におけるサメ相調査とその寄生虫(Cestoda条虫綱)の出現調査を行う。世界で唯一の「シャークジャーナリスト」として、世界中のサメを取材し、サメという生き物の魅力をメディアなどで発信している。「サメ談話会」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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