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キェルケゴールの日記―哲学と信仰のあいだ

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  • サイズ B6判/ページ数 290p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062195195
  • NDC分類 139
  • Cコード C0010

出版社内容情報

人間にとって信仰とはいったい何なのか? キリスト教信者であることを深く省察しながら、宗教の根源を問い続けた希有な日記を読む。キェルケゴールは、実存主義の祖とされる19世紀の哲学者です。合理的な近代の理性だけではわりきれない、「実存」としての人間に注目した哲学者、というのが教科書的な解説です。
ただ、近年、彼の哲学は、それだけではおさまらない深さと広がりを持つことが注目され、再評価されつつあります。
彼は、キリスト教国家であるデンマークに生まれ、生涯、信仰と哲学について、考え続けました。
その思索がなまなましくつづられたのが、彼の日記です。
いま、『死に至る病』などの著作だけでなく、膨大な日記を読み解くことが、キェルケゴール哲学を理解するカギとされています。
本書は、日記の中でも、もっとも深く信仰や哲学について思索した部分を抜萃し、編纂してあります。
そのピークには、「1848年の宗教的転機」という、信仰をめぐる大きなドラマがあります。
人が信仰をするというのは、どういうことなのか。これは、いうまでもなく、21世紀の現在、人類全体に問われている喫緊の課題です。
いま、キェルケゴールの日記を読み、彼の思索をたどることは、われわれにとって、きわめて意義深い営為だと言えます。
本書は、ていねいな解説や注も附し、読みやすく、深い思索に読者を導きます。

序章 キェルケゴールの思索の地平へ
第一部 1848年の宗教的転機まで
 父ミカエルと原罪/大地震と放蕩息子の帰還/コルサール事件
第二部 1848年の宗教的転機
 宗教的転機の端緒/展開/『キリスト教の修練』/帰結
第三部 1848年の宗教的転機後
解説 新しいキェルケゴール理解へ


セーレン・キェルケゴール[セーレン キェルケゴール]
著・文・その他

鈴木 祐丞[スズキ ユウスケ]
編集/翻訳

内容説明

人間にとって宗教とは何か?神を信じるとはどういうことか?罪・放蕩・絶望からキリストによる救いへ!信仰をめぐる思索と苦闘の日記を、読みやすい編訳と詳細な解説で蘇らせた決定版!稀有な哲学者が綴った深甚なる告白!

目次

第1部 一八四八年の宗教的転機まで(一八三七年~一八四六年;一八四七年~一八四八年三月)
第2部 一八四八年の宗教的転機(宗教的転機の端緒;宗教的転機の展開;宗教的転機の帰結)
第3部 一八四八年の宗教的転機後(一八四八年の宗教的転機後~一八五三年;一八五四年~一八五五年)

著者等紹介

キェルケゴール,セーレン[キェルケゴール,セーレン] [Kierkegaard,Soren Aabye]
1813‐1855。19世紀デンマークの哲学者。実存主義哲学の祖とも位置づけられる。『あれか、これか』『死にいたる病』など、哲学史上に残る名著で知られるが、生涯に厖大な著作と日記を書き残した

鈴木祐丞[スズキユウスケ]
1978年生まれ。2009年から2011年まで、コペンハーゲン大学セーレン・キェルケゴール研究センター研究員。2013年、筑波大学大学院人文社会科学研究科哲学・思想専攻修了(博士(文学))。専攻は、宗教哲学、キェルケゴール研究。現在、秋田県立大学助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

22
自身の信仰について、そして真の信仰の在り方と救済について血反吐を吐きのたうちまわる思いをして思考を続けたキルケゴールの姿を知らなければ『死に至る病』に代表される書物に記された彼の思想の深みに達する事は決して出来ない。自分自身の哲学は自分自身でしか構築することは出来ないのだけれど、過去の哲学者たちが自身の抱えたどんな命題のために発狂寸前(実際に発狂した方もたくさんいるが)まで思考を重ねたのかについて知ることは自らの思考を築くために大切なのかもしれない。哲学には血が通っているということを改めて認識した。2016/10/02

amanon

8
内容の理解はともかくとして、一読してこれは手元に置いて繰り返し読むべき本だという印象を受けた。牧師になれるだけの素養と信仰心がありながら、あえてその可能性に背を向けながら、なおかつ信仰について極限まで思考し、時にデンマーク国教会に盾突くような発言まで行ったその姿勢。そして、あの有名なレギーネとの婚約とその破談のエピソードを巡る、一筋縄ではいかない捻りを含んだ記述。しかも、それらの日記が、後に出版されるということを前提にして書かれたというのだから、更に驚き。真実とは?虚偽とは?という問いを読者に投げかける。2016/10/26

lily

7
丁寧な解説も手伝ってキェルケゴールの名著よりも本書の方が内面に寄り添えた感覚がある。幼少期からの父からの徹底した宗教教育と天才的詩人であったが故にマグマのように渦巻く苦悩から逃れることをますます困難にした。結婚をするか否か、転職をするか否か、生きづらさを感じてる人にも、是非。2019/05/20

Riopapa

6
キェルケゴールの著作を読んで,かなり難解に感じていたが,日記を読むことで幾分理解ができたような気がする。もう一度,著作の方にチャレンジしてみようと思う。2018/01/15

抹茶ケーキ

4
キリスト教を中心にすえてキェルケゴールの人生を日記から再構成。キェルケゴールは宗教を中心に据えるより、絶望とか不安とかから見た方が現代にとっては有効なんじゃないかと思った。現代日本では宗教を信じることに悩む人よりも自分の実存に悩む人の方が多いだろうし。2016/06/26

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