出版社内容情報
人間にとって信仰とはいったい何なのか? キリスト教信者であることを深く省察しながら、宗教の根源を問い続けた希有な日記を読む。キェルケゴールは、実存主義の祖とされる19世紀の哲学者です。合理的な近代の理性だけではわりきれない、「実存」としての人間に注目した哲学者、というのが教科書的な解説です。
ただ、近年、彼の哲学は、それだけではおさまらない深さと広がりを持つことが注目され、再評価されつつあります。
彼は、キリスト教国家であるデンマークに生まれ、生涯、信仰と哲学について、考え続けました。
その思索がなまなましくつづられたのが、彼の日記です。
いま、『死に至る病』などの著作だけでなく、膨大な日記を読み解くことが、キェルケゴール哲学を理解するカギとされています。
本書は、日記の中でも、もっとも深く信仰や哲学について思索した部分を抜萃し、編纂してあります。
そのピークには、「1848年の宗教的転機」という、信仰をめぐる大きなドラマがあります。
人が信仰をするというのは、どういうことなのか。これは、いうまでもなく、21世紀の現在、人類全体に問われている喫緊の課題です。
いま、キェルケゴールの日記を読み、彼の思索をたどることは、われわれにとって、きわめて意義深い営為だと言えます。
本書は、ていねいな解説や注も附し、読みやすく、深い思索に読者を導きます。
序章 キェルケゴールの思索の地平へ
第一部 1848年の宗教的転機まで
父ミカエルと原罪/大地震と放蕩息子の帰還/コルサール事件
第二部 1848年の宗教的転機
宗教的転機の端緒/展開/『キリスト教の修練』/帰結
第三部 1848年の宗教的転機後
解説 新しいキェルケゴール理解へ
セーレン・キェルケゴール[セーレン キェルケゴール]
著・文・その他
鈴木 祐丞[スズキ ユウスケ]
編集/翻訳
内容説明
人間にとって宗教とは何か?神を信じるとはどういうことか?罪・放蕩・絶望からキリストによる救いへ!信仰をめぐる思索と苦闘の日記を、読みやすい編訳と詳細な解説で蘇らせた決定版!稀有な哲学者が綴った深甚なる告白!
目次
第1部 一八四八年の宗教的転機まで(一八三七年~一八四六年;一八四七年~一八四八年三月)
第2部 一八四八年の宗教的転機(宗教的転機の端緒;宗教的転機の展開;宗教的転機の帰結)
第3部 一八四八年の宗教的転機後(一八四八年の宗教的転機後~一八五三年;一八五四年~一八五五年)
著者等紹介
キェルケゴール,セーレン[キェルケゴール,セーレン] [Kierkegaard,Soren Aabye]
1813‐1855。19世紀デンマークの哲学者。実存主義哲学の祖とも位置づけられる。『あれか、これか』『死にいたる病』など、哲学史上に残る名著で知られるが、生涯に厖大な著作と日記を書き残した
鈴木祐丞[スズキユウスケ]
1978年生まれ。2009年から2011年まで、コペンハーゲン大学セーレン・キェルケゴール研究センター研究員。2013年、筑波大学大学院人文社会科学研究科哲学・思想専攻修了(博士(文学))。専攻は、宗教哲学、キェルケゴール研究。現在、秋田県立大学助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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