ラ・プッツン・エル―6階の引きこもり姫

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  • サイズ B6判/ページ数 210p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062187039
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

「ラ・プッツン・エル」と名乗り、マンション6階にとじこもって暮らす少女の心の軌跡。はたして「塔」の外へ出る日は来るの?「むかしむかし、あるところに、たいへん狂暴なお姫さまがおりました。プッツンしてキレると手がつけられなくなるので『ラ・プッツン・エル』と呼ばれていました。……」
 自らを童話の「ラプンツェル」になぞらえて「ラ・プッツン・エル」と呼ぶ中学一年生の少女・高倉涼は、『魔王』と呼ぶ父親と激しく戦ったあと、両親、弟と離れ、マンション6階の部屋から一歩も外に出ずに、ひとりで暮らしている。童話のように自らの境遇と思いを語る「ラ・プッツン・エル」が、暴れたのには理由があった――。
 双眼鏡を見つけ、外をながめるようになった涼は、ある日、マンションの前を通って通学する少年に目をとめ、ひそかに「ジャク」と名付けて、見守るようになった。少年は、涼と同じ中学二年生、世界が汚いものであふれていると感じ、学校へ行くのもつらい日々を送っていた。
 あるできごとがきっかけとなり、少年は無人であるはずのマンション6階に、何者かが住んでいることをつきとめるが……。

名木田 恵子[ナギタ ケイコ]
著・文・その他

内容説明

少女は、親と闘ってマンションに引きこもり、自分を「ラ・プッツン・エル」と名づけた。双眼鏡で「少年」を見つけたとき、止まっていたなにかが動きはじめた―。

著者等紹介

名木田恵子[ナギタケイコ]
東京都生まれ。作家。児童書の作品のほか、水木杏子のペンネームで漫画の原作を数多く手がけた。『レネット金色の林檎』(金の星社/その後、講談社青い鳥文庫に収録)で2007年度日本児童文芸家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

32
思春期のみなさんにお勧め。あとその世代のお子さんをお持ちの親世代の方々にも。14歳の14歳であるが故の視野の狭さ、世間を知らないこと、それを乗り越えた時彼女、彼らはどう成長して行くのか。短い物語なのでサラリと読了。2013/12/23

カナティ

31
読者モニター当選により読了。2013/10/29

☆よいこ

13
家庭内暴力からの引きこもり、14歳の高倉涼(たかくらりょう)はマンション6階の部屋から出ないことを決心した。自分を「プッツン姫」といい、自作の童話の世界に浸る。ある日双眼鏡で下界をみていた姫はある少年を見つける。強迫神経症の蓮見怜央(はすみれお)は全ての汚れから身を守る為に左手をポケットから出すことができない。それぞれの理由、こだわりに共感することはできないかもしれない。独特の世界観でつっぱしるストーリーだか、ラストは希望が持てる。童話の世界から一歩踏み出すふたりを応援したくなる。中学生向き。2018/03/21

おはなし会 芽ぶっく 

12
ラプンツェルのパロディかと軽く読み始めたら、全く違うもの!生きるために孤独を選んだ少女、高倉涼。親と戦い一人マンションの6階に引きこもり(両親と弟は引っ越し)、自分をラ・プッツン・エルと名づけた。魔王(父親)に窓をふさがれ内側からは外に出れないようにされたマンションの1室、こころ優しき魔女だけが不定期に彼女に必要なものを差し入れる。そんな日々を送る中、彼女はわずかに外が見えるまどから双眼鏡で外を覗くと、ある少年を見つけてしまう。彼女が「ジャク」と名づけた少年との出会いが、止まっていたものを動かした。2019/09/15

7petit

11
マンションの6階でひとり閉じこもり、人との繋がりを絶つ14才の涼。やり切れない閉塞感は彼女の呟く『ラ・プッツン・エル』の物語として軽やかに展開していく。現実にありそうな設定を上手くグリム童話『ラプンツェル』に繋げていて面白い。ジャクとの出会い、つながりも魅力的だったが、登場人物それぞれが自分の気持ちを信じ、一歩を踏み出していく展開がよかった。高学年から。2014/04/23

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