風の牧場

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 240p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062145411
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

もの心ついたときに、父はいなかった。それは寂しいことではなかった―。美名子と母のあいだにある、ふれられない空白。そこには、いつも「不在の父」がいた。現代を生きるひとりの女性の姿を、思春期から40代までの心の軌跡をとおし語る六篇の物語。とまどいながら、その先に見つかる心の本当のかたちを、美しい文章と丁寧な心理描写で描き出した「絆の物語」。

著者等紹介

有吉玉青[アリヨシタマオ]
1963年、東京生まれ。大学在学中に、母・佐和子が急逝する。1989年、母との日々を綴った『身がわり』を上梓。同作は坪田譲治文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

103
怒涛の勢いで読み続けている有吉さん作品で、5作目となりました。正直、自分とっては‘波’のある作家さんでどの作品もストライクかと言われると何とも言えないのですが、日常の誰もが思い、感じるひとコマをさりげなくサラッと書き綴る、その世界観に魅せられています。今作は一人の女性の青春期(思春期)から40に至るまでのクロニクルを、母子家庭という環境下において母との温かくもあり、どこか切なくもあるやりとりをゆらりと描いています。しかし、今作の主人公「美名子」さんには最後まで共感できなかったのが、少し残念な読後感でした。2016/04/24

ぶんこ

25
「物事を小難しく考えるところなんて、そっくりよ」と母に言われた美名子さん。 この一言にすべての私の読後感が表されていました。 なんで素直に考えられないのだろう? なんで怒るのか? なんで、なんでの連続で、美名子さんに共感出来ず仕舞いで読み終わりました。2014/08/07

やどかり

19
幼い頃に両親が離婚し、父の記憶がない美名子。父の存在がないことでの、その時々の思いや、母との関係、結婚後の夫との関係など、美名子の心の流れが見えてとてもよい作品だった。最後の章でホッとさせられた感じ。装丁もほんわかしてかわいい。2013/12/04

るう

9
私小説かな。母子家庭で育ち会ったことが無く知ろうともしなかった亡き父。大人になってその父の親戚と出会い、結婚して夫の家族との違いを感じ、年老いてきた母との旅行で父の墓参りをし、長年の心の隙間が埋っていく。正直な気持ちが淡々と語られていて、共感出来る。装丁も合っていて素敵な本でした。2014/06/18

チェス

7
読みやすくて面白かったなぁ。遠い庭、切実! ラスト良かった。2022/04/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/531967
  • ご注意事項