講談社文芸文庫<br> 新しい人よ眼ざめよ

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講談社文芸文庫
新しい人よ眼ざめよ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 400p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984677
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

W・ブレイクの預言詩に導かれ、障害を持って生まれた長男との共生の中で、真の幸福、家族の絆について思いを巡らす感動の連作短篇。<いま現在の僕とイーヨーの共生の意味があかるみに浮かびあがる。>

神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩(プロフェシー)に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の<再生>を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。

リービ英雄
『新しい人よ眼ざめよ』は、innocence(無垢)の危機から始まる、ともいえる。(中略)ブレイクのinnocenceとexperience(経験)の歌が、おり交ぜている、という以上に、語りの言葉の一すじとなる、fatherとsonの詩が、「父親」たる語り手によって読まれている、だけでなく、読まれていること自体が物語の一主題となってゆく。このような「引用」のめざましい活かし方を一言で描ける文芸用語を、ぼくは知らない。――<「解説」より>

無垢の歌、経験の歌
怒りの大気に冷たい嬰児が立ちあがって
落ちる、落ちる、叫びながら……
蚤の幽霊
魂が星のように降って、あし骨のところへ
鎖につながれたる魂をして
新しい人よ眼ざめよ
著者から読者へ


大江 健三郎[オオエ ケンザブロウ]
著・文・その他

リービ 英雄[リービ ヒデオ]
解説

内容説明

神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の“再生”を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。

著者等紹介

大江健三郎[オオエケンザブロウ]
1935・1・31~。小説家。愛媛県生まれ。東京大学文学部仏文科卒。在学中に執筆した「奇妙な仕事」で注目を集め、1957年「死者の奢り」で文壇デビュー。翌年「飼育」で芥川賞受賞。石原慎太郎、開高健とともに新世代の旗手的存在となる。94年、ノーベル文学賞を受賞。2005年、作家生活50周年を記念して、「大江健三郎賞」創設を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kaoru

82
障害のある長男イーヨーとの共生を目指しつつウィリアム・ブレイクの詩に喚起された思いを綴る短編集。著者は死への怖れのなかで、ブレイクの詩やその生涯を辿りながら自らを奮い立たせる。幼少時の夢に起源を持つ「壊す人」のヴィジョンについて、生の無意識に近い領域を含めて自らが感じ考えることはブレイクのうちに予言されていた、と言う記述に驚いた。看過できない事件も起きるが、イーヨーの音楽的才能が発揮されていく過程や巧みなユーモアが描かれる箇所は嬉しい。死に至る時までブレイクを読み続けるに違いない、と書いた大江氏の訃報に→2023/03/17

優希

79
自伝的でエッセイに近い気がしました。主人公が大江健三郎と重なります。日常を淡々と描く中で、そこに挟まれる知的障害を持つイーヨーの言葉が家族の絆と真の幸福を深く考えさせられます。嫌な部分も見せつけられますが、何故か透明な色調の印象がありました。優しい魂で呼びかけている感じがあり、清々しい気持ちになります。2016/07/05

すしな

49
057-23.文豪らしく、重々しいしい感じで始まったのですが、父親の悲喜交々が溢れ出していて読み終えたことには、うるっとくる本でした。話の中心には、イーヨーがいるのですけれど、お父さんの話とか、亡くなった友達の話とか、昔のガールフレンドの話とかがあって、イーヨーを媒介して自分を見つめている感じでした。確かに男親ってそいうふうに息子を見ているところがあるなということに気づきました。最後のイーヨーが成人してイーヨーを卒業したところもよかったです。銀河鉄道の父とも似た雰囲気も感じました。2023/05/12

若布酒まちゃひこ/びんた

23
大江健三郎と村上春樹はなぜ同じ主題を「書き直し続ける」のか?/オブセッションと〝自己模倣〟 http://www.waka-macha.com/entry/2017/11/06/2100002017/11/06

タイコウチ

11
1983年版の単行本で再読。まもなく二十歳を迎えようとする障害のある息子イーヨーと作家の日々が、ブレイクの詩の独自の解釈に照らして描かれる連作短篇集。この作品や『雨の木』あたりから、語り手の「フィクション」と作家大江健三郎の「現実」の混淆が意識的かつ巧妙になされるようになってきて、自分も含め多くの読者がつい「私小説」として読んでいたのではないだろうか。その思い込みは、その後の作品で次々と覆されていく(?)のだが。その中で、これだけはありのままに書いたというゴシック体のイーヨーのセリフの瑞々しさは胸を打つ。2023/05/31

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