講談社学術文庫<br> ローマ建国伝説―ロムルスとレムスの物語

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講談社学術文庫
ローマ建国伝説―ロムルスとレムスの物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 264p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061598188
  • NDC分類 232
  • Cコード C0122

内容説明

大叔父の謀略により、生後すぐ捨子とされた王家の正系、双子のロムルスとレムス。二人は狼と牧人に養われ、長じて大叔父を討つが、ロムルスとレムスが覇を競い、ロムルスが勝者となってローマを興す―ローマ建国伝説である。この物語を、古代の史書等に拠りつつ、ロムルスの生涯を柱に再話。併せて物語を構成する諸要素を分析し、その意味を探る。

目次

第1章 ロムルスとレムスの誕生
第2章 捨子
第3章 双子を養う牝狼
第4章 牧夫から王子へ
第5章 ローマ建設
第6章 ロムルスの戦争と死

著者等紹介

松田治[マツダオサム]
1940年、奄美大島生まれ。東京教育大学文学部卒業。東京大学大学院修士課程修了(西洋古典学)。流通経済大学、つくば国際大学教授を歴任。2006年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

6
ローマの起源の多様性がロムルス神話に反映されていると感じた。文化、言語、考古学等々、多様な視点から説かれていたことで、最後まで興味を持って読み進めることができた。2014/07/03

たかみりん

2
ローマ建国の祖として有名なロムルスの伝説の個々の場面について、その発祥や変容、意義を探りつつ、再構成を試みる。他の地域より遅く成立したこの伝説は、ギリシア神話やオリエントに起源を持つ挿話を元に構成されている。例えば水辺の捨子、動物が人間の子を養う、兄弟殺し…と言ったモチーフである。しかしその中にも極めて古い時代のこの地域独自の風習が紛れ込んでいる。また共和制末期の政治家がこぞってロムルス像に自分を重ねたことにも触れ、伝説が今ある形に構成されていく過程で矛盾や否定的要素が切り捨てられていったことも語られる。2013/10/16

maqiso

1
ローマの建国伝説は、ギリシア神話の型に地方の固有名詞を取り入れ、膨らまされたものが多い。果実や樹液を利用したイチジクと人と羊への大きな脅威だった狼が双子を助けた。捨子の出世譚はメソポタミアからギリシアにも見られる。ロムルスがレムスを殺す伝説は血なまぐさく、ロムルスと同一化を計る権力者への批判に使われたり神聖化のために緩和されたりした。2021/08/11

碧月

0
ローマにおける「ウェスタの巫女」、「鳥占い」について知るために読みました。詳しくて、読みやすい。伝説について大まかにでも知っている人向け。ウェスタの巫女が、ローマにとってなぜ重要なのか、国家の娘としての様子がよくわかりました。スエトニウスの『皇帝伝』を講読する中で、重要な役目として出てきた独特の文化「ウェスタの巫女」「鳥占い」。どちらも、ローマ建国伝説にかかわっている。建国当時から重要だったのかもしれないし、後に重要になったから建国伝説に残った(加えられた?)のかもしれません。2013/01/27

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