出版社内容情報
ぽっこり山のふもとに一軒のおいしいパン屋さんがありました。パンを焼いているのは、気難しく、へりくつばかり返すおばあさんでした。みんなからは、へんくつさんと呼ばれています。季節のおいしいパンで満たされる、心温まる感動物語。
内容説明
ぽっこり山のふもとに、一けんのおいしいパン屋さんがありました。パンをやいているのは、気むずかしく、へりくつばかりいうおばあさん。みんなからは、へんくつさんとよばれています。ある朝早く、小人の女の子マリがパン屋さんをおとずれて…。クリームパン、フレンチトースト、シナモンロール…、小人や動物たちがやってくる、小さなパン屋の物語。中学年向き。
著者等紹介
楠章子[クスノキアキコ]
大阪府に生まれる。第45回毎日児童小説・中学生向きにて優秀賞受賞。2005年に『神さまの住む町』(岩崎書店)でデビュー。17年『ばあばは、だいじょうぶ』(童心社)で課題図書に選定、児童ペン賞童話賞を受賞
井田千秋[イダチアキ]
イラストレーター。書籍の挿絵、装画などで活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
57
気難しいおばあさんが1人で営む山のパン屋さん。そこに、小人の少女がやってきます…。設定だけでわくわくしますね。ちょっとジブリ作品のようで、読んでいる間ずっと楽しかったです。井田千秋さんの挿し絵もいい感じ。シリーズ化もありそうですね。2021/01/14
anne@灯れ松明の火
33
複数の読友さんご紹介で気になっていたところ、遠い方の新着棚で。山のふもとのパン屋さんには、人間以外に、動物や小人も買いに来る。こんなパン屋の店主は、ニコニコした人かと思いきや、”へんくつさん”と呼ばれる気むずかしいおばあさん! 意外性が面白いのだが、やっぱり心底意地悪な人のはずはない。さるのへんくつさんとの話など、うるうるもの。また、動物たちがお金ではなくても、きちんと支払いをするのもいい。楠さん初読みだと思っていたら、著者紹介で、「ばあばは、だいじょうぶ」の作者さんだとわかった。他の作品も読んでみたい。2021/01/28
白雪ちょこ
30
表紙や挿絵、パンの細かな作り方など、とても可愛らしいが、内容は至って大人向き。 特に、サルのへんくつさんに至っては、大人だからこそぐっとくるような切なさが漂っていた。 「こういう人いるよね」「こういうことあるよね」。 そういう時は、アンナさんが作ったおいしいパンで、安らかな一時を。 表紙の可愛らしさから、子供向けが漂うが、内容的には中高生から大人に、ぜひおすすめしたい。2023/04/13
うとうと
16
ぽっこり山のふもとにあるパン屋さんの店主は、気難しい「へんくつさん」ことアンナさん。人間の住む町と山の間にあるお店には、おいしいパンを求めて人も小人も動物もやってきます。/こちらで教えていただいた本。子どもの頃に好きだったテイストの物語。双子の話、自分の基準や常識を他人に求めるとうまくいかないことが確かにある。パンがおいしそうです。2022/09/11
みーなんきー
15
へんくつさんはパン屋さん、よくある児童書のように、完璧に親切で明るい人が描かれるのでなく、孤独で尖っていた人が、少しずつ少しずつ、社会に目を開き、自分を変えていく努力をする感じが、自然で、ありそうでとても良い。表紙の絵も夢がある2023/09/24