内容説明
今から137億年前、熱い火の玉(ビッグバン)として生まれた宇宙。それ以前の宇宙はどんな姿をしていたのか。宇宙の現象を素粒子で解く「素粒子論的宇宙論」に基づき、宇宙創生の謎に迫るインフレーション理論を世界に先駆けていち早く発表した著者。湯川秀樹に憧れて入学した京都大学での若き日々、そして益川敏英、小林誠などノーベル賞科学者との出会いと共同研究など、研究の軌跡を辿りながら最新宇宙像に迫る「最終講義」全記録。
目次
序章 宇宙創生への旅―137億年の彼方へワープ(世界中いたるところにあった、宇宙創生の神話;宇宙創生の音が聴こえる―インドの“宇宙創生神話像” ほか)
第1章 超新星爆発の研究から「宇宙の始まり」の解明へ(科学少年は、湯川博士の京大を目指した;はじめは宇宙人からの信号とまちがえたパルサーの発見 ほか)
第2章 素粒子論的宇宙論の入り口に立って(素粒子論的宇宙論へのきっかけとなったアイデア;世の中には4つの力がある ほか)
第3章 インフレーションによって解決した問題(どのようにして100桁の精度で宇宙がつくれるのか?―平坦性問題;情報伝達の限界=「光速」にも超えられない壁があった―地平線問題 ほか)
第4章 なぜ今、第2のインフレーションが起こったのか?―未解決の問題と「人間原理」(GUTで、X粒子を仮定する;陽子が崩壊するなら、物質宇宙は消滅する! ほか)
著者等紹介
佐藤勝彦[サトウカツヒコ]
1945年、香川県生まれ。74年、京都大学大学院理学研究科物理学第二専攻博士課程修了。北欧理論物理学研究所客員教授、東京大学理学部助教授を経て、東京大学大学院理学系研究科教授。2009年3月、定年退官。現在、明星大学理工学部物理学科客員教授、東京大学数物連携宇宙研究機構特任教授。専門は宇宙論と宇宙物理学。特に宇宙の創生と初期宇宙を研究し、1981年に「インフレーション理論」を提唱、宇宙論研究の世界的牽引者となる。90年、仁科記念賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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