MF文庫J<br> ぼくたちのリメイク〈9〉怪物のはじまり

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MF文庫J
ぼくたちのリメイク〈9〉怪物のはじまり

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  • サイズ 文庫判/ページ数 293p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784046806086
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「福岡に――いっしょに来てくれん?」体調を崩し倒れてしまったシノアキの付き添いとして福岡の実家へと向かった僕、橋場恭也。彼女が生まれ育った故郷を見て、家族と触れ合い、知らなかった一面を少しずつ知っていく。夜、連れてこられたのは彼女の亡くなったお母さんのアトリエだった。絵を描くことに向き合ってきたシノアキと家族との本当の関係性を知った僕は、一つの決断を下すことに――。大芸大では貫之、ナナコ、河瀬川、九路田、皆が一人一人で夢を追っていくなかシノアキを追い続けてきた斎川はとある異変に気付き……。青春作り直しストーリー、失ってしまったものを取り戻すための第9巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナギ

55
シノアキ回。福岡の実家を二人で訪れるがそこにはある秘密が……そして、仕事をセーブする事を決意した矢先に制作物のクオリティが下がる事態に……というお話。一流であるか二流であるかというものの差が熱意であるのは認めますが、私が思うには才能が大きく関係してくるのだと思います。セーブしていても良いものを出せる人はいるし、死ぬほど努力してもその程度で終わる人もいます。根性論みたいな方には行かないで欲しいし、お話としては難しいラインを踏んでいるなと感じます。アキだけが特殊で貫之とナナコは普通に描かれているのが救いですね2022/11/04

よっち

38
体調を崩し倒れてしまったシノアキの付き添いとして福岡の実家へと向かった橋場恭也。絵を描くことに向き合ってきたシノアキと家族の関係性を知った恭也が一つの決断を下す第九弾。シノアキの実家で知る彼女が抱える悩みの本質、恭也なしで作品を作り上げようとあがく貫之、ナナコの苦悩、新しいやり方を始めた恭也とシノアキに会いに来た斎川の想い。クリエイターとしてどうあるべきか、正論や理想なんて吹き飛ばしてしまう心揺さぶるその本質を突きつけられたら、目をそらすことなんてできないですよね…覚悟を決めたこれからの展開が楽しみです。2021/07/20

オセロ

31
シノアキと共に福岡に向かった恭弥はシノアキがイラストレーターを志す理由と共にその危うさを知った一方で、ナナコと貫之もクリエイターとして自立する為に足掻いていた。プロデューサーとしてシノアキの健康を考えながら絵の仕草を提供する恭弥と、クリエイターとして自らの絵でシノアキの心を動かした斎川。やはりクリエイターを動かすのはクリエイターなんだなと。そして動きだしたプラチナ世代の皆と一緒に地獄の道を進むことを決めた恭弥の今後が楽しみです。2021/07/24

わたー

22
★★★★☆クリエイターの人間性を尊重できる人物だったはずなのに、何があったら創作物に対して憎悪を抱くようになるのだろうか。読者側は別ルートの未来を知っているだけに、橋場の決断が正しいのか不安でならない。それはさておき、本筋としてはシノアキの創作に対するルーツが明かされるというもの。未来から戻ってきて覚悟を決めたはずの橋場がシノアキの扱いでまた悩むというのには違和感を覚えた。そこは既に乗り越えたはずだろ、ノータイムで地獄へ叩き落せよと。ラストであの作品がでてきたことが今後の展開にどう影響するのかは気になる。2021/07/22

かっぱ

20
療養のためにシノアキの実家まで赴くシリーズ9弾。秘められたシノアキの過去が導いたのは創作者の苦悩と再起の物語。作り手を守る環境は必要かもしれない。徹底的な管理を経て、名作が生み落とされるのならそれが一番だ。けれど、汗をかき涙を流し血を吐かなければ作れないものが、そこでしか生きられない怪物がいること。仕事の頻度を落とす決断をしたシノアキに、かつて憧れた斎川だから意味を持つ叱咤。プラチナ世代の三人がもがきながらそれでも前に進もうとする姿にはどこか眩しさと、クリエイターしての業を背負った恐ろしさを覚えた2021/08/02

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