出版社内容情報
メルロ=ポンティの現象学的な「肉」をめぐる考察を援用しながら、神なき時代に「わたし」がいかにして感覚の豊穣さを回復し、肉体に感覚を取り戻すかを説く。そのための目くるめく感覚のレッスンを描く、哲学断章。
内容説明
感覚の謎は、すべて、「肉の論理」にあるといっても過言ではない。「肉の論理」によって賦活された、これらの「絡繰り」が肉体に仕組まれなければ、感覚は感覚でなくなり、肉体は肉体でなくなるであろう。本書は、したがって、魔術的な論理で彩どられゆく、感覚の機微について書いたことになる。この本は、さらにいえば、神なき時代、せめて、感覚の豊饒を回復するための本である。なつかしさ、ゆかしさ、かけがえのなさ、を肉体に取り戻すための本である。
目次
第1章 跨ぎ越し(美食と跨ぎ越し;玩具と跨ぎ越し;フランソワ・ラブレーと跨ぎ越し;跨ぎ越される「わたし」)
第2章 抱き合わせ(裏地と抱き合わせ;抱き合わされる「わたし」;目玉と抱き合わせ;ナルシスと抱き合わせ)
インテルメッツォ(メルロ=ポンティの肉)
第3章 絡み合い(マルセル・プルーストと絡み合い;川端康成と絡み合い;道元と絡み合い;絡み合う「わたし」)
第4章 嵌め合わせ(死と嵌め合わせ;カミと嵌め合わせ;芥川龍之介と嵌め合わせ;嵌め合わされる「わたし」)
著者等紹介
梅原賢一郎[ウメハラケンイチロウ]
1953年、京都市生まれ。1982年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。専攻は、美学・芸術学。現在、京都造形芸術大学教授。芸術や宗教について、身体を軸に、新しい視座から思索する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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