角川文庫<br> ラス・マンチャス通信

電子版価格
¥594
  • 電書あり

角川文庫
ラス・マンチャス通信

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 319p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043905010
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

姉の体の上に息荒くのしかかる「アレ」に手を下した瞬間から、僕の人生の歯車は大きく狂い始めた。施設に収容され、理不尽な仕事でこき使われ、刻印された黒い染みに翻弄される、切なくも数奇な運命。ついに流れ着いた山荘で見た衝撃のものとは…。無垢な魂がさまようカフカ的幻想世界を、圧倒的なマジックリアリズムで描く異形のビルドゥングスロマン。第16回日本ファンタジーノベル大賞、大賞受賞作、待望の文庫化。

著者等紹介

平山瑞穂[ヒラヤマミズホ]
1968年東京生まれ。2004年『ラス・マンチャス通信』で第16回日本ファンタジーノベル大賞、大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひめか*

42
恐ろしくおぞましい。カフカのような世界観。彼の作品は3作読んだが、これほどまでに違う作風を見せるのかと衝撃を受けた。陸魚というこの世に存在せぬ得体の知れない者、そして人なのかとにかく気持ち悪い”アレ”が登場することから始まる。アレはまるで人間ではないように描かれるが実在する者だった。一人の人物の人生が描かれるが、全体的に憎悪と苦しみに溢れた暗く重い作品。「」が全くないのもこの物語の重々しさに相応しい気がする。グロテスクなシーンも多くあまり私の好きな世界観ではないが、平山さんの新たな一面を見られて良かった。2015/12/10

miroku

20
陰惨で醜悪で何故か切ない物語。ファンタジーノベル大賞受賞作品は一筋縄では行かない。2017/08/23

14
切ない。最終章は文のかたまりひとつひとつが、ぜんぶ切ない。平山瑞穂の初期作はとにかく最後の章が、どうしたらこんな表現ができるのかという程切ない。何回も読み直して物語の異様さに慣れきったあとに、今回はじめて発見した。次はどんな感想を持つんだろう。2017/04/27

Ich_co

11
#psbooks / 寓話の体をとっているのだけれど、主人公の生きづらさや不遇の感触がすごく生々しい。目を覆うフリをして、指の隙間から覗き見したくなるような、どろりとした魅力を持つ物語。濃いです。最後の姉のくだりがちょっと作りすぎなのが残念だけど、面白い。2010/08/16

naimon

11
なんだか日常の平衡感覚が微妙に崩される本。まったくの空想であれば割り切れるのに、リアルっぽいの物語観に微妙に「変な」空想を混ぜてるから、読書中、座り心地がムズムズ。文章が平易で読みやすいのがさらに、このムズムズさを加速させる。例えていえば、スープの中に嫌いな椎茸がほんの少し入っているようなものか?違うな、宇宙人の食べ物を少し混ぜてる感じ。しかも、後半、奇妙な味に慣れてくる!これは珍味だ!2009/11/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/522676
  • ご注意事項

最近チェックした商品