内容説明
イギリス東インド会社に勤めるクレイは、インド東海岸にある港街、マドラスに到着した。謹厳実直で知られる上席商務員が“マドラスの星”と称される400カラットのダイアモンドを手に姿を消したのだ。誘拐か、はたまた着服か。事件にはどうやら「果敢にして知略に秀づ」とその名を轟かす海賊モア船長が関わっているという噂があり…。勇敢で聡明な海の男たちが活躍する、才智を尽くした頭脳戦!海洋冒険小説、待望の文庫化。
著者等紹介
多島斗志之[タジマトシユキ]
昭和23年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。広告代理店勤務、フリーの広告制作ディレクターを経て作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スナイデル
10
32020/08/12
鐵太郎
6
「海賊モア船長の遍歴」の続刊です。1703年7月7日、と言いますから前回のお話の始めから6年後のインド洋。主人公は、マイケル・クレイという東インド会社の職員。31歳。インド駐在員ではなく、ロンドン本社勤務で、特殊な事件のために派遣された人。彼がモア船長という不思議な人物に招待という名で拉致されて見たものは。2009/10/25
skellig@topsy-turvy
5
昨夜眠る前に少し…と思って手を伸ばしたら完全に呑まれた。海洋冒険小説ムードだったんだろうか、自分。東インド会社の時代、イギリス、オランダ、フランスの覇権争いに風変りな海賊に怪しい提督、そして失踪した商務館員とダイヤ。ダイヤと商務館員の失踪というミステリーが主軸なんだろうけど、様々な要素が絡んでページめくる手が中々止まらない。2012/10/07
Ryoji
3
著:多島斗志之。『~遍歴』の続編、その上巻。イギリス東インド会社の秘書課員であるクレイが、〈マドラスの星〉と称されるダイヤモンドの行方を追う物語。ピット長官とモアの癒着、イギリスとオランダの外交情勢、〈マドラスの星〉と共に失踪した上席商務員の経緯の謎など、下巻へと続く下地を披露した内容。前作に登場したキャラクターへの愛着も含め、その後の展開がおおいに気になる出来映え。独特な改行も健在です。下巻に期待。2012/03/19
四葉
3
モア船長の憂鬱というよりも上巻はクレイさんの憂鬱。意味深な言葉も遍歴から読んでいると何を信じてもいいのかの選別が楽になりまた乙な感じです。海賊島でのモア船長流解決法から暮らしを古代ギリシャ風に例えた話何れもユニークで面白い、クレイさんの中立的、本国を心の何処かで疑いつつも信じてる考え方とモア船長の考え方のズレは現地を見て知って体験してるかでしょうね。本当に難しいです。後半ページを捲る速さが目に見えて上がったのはモア海賊団の魅力でしょうか川*'-')フフ2011/10/02