信長の原理

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  • サイズ B6判/ページ数 592p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041028384
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

何故おれは、裏切られ続けて死にゆくのか。信長の内面を抉る革命的歴史小説何故おれは、裏切られ続けて死にゆくのか。

織田信長の飽くなき渇望。家臣たちの終わりなき焦燥。
焼けつくような思考の交錯が、ある原理を浮かび上がらせ、
すべてが「本能寺の変」の真実へと集束してゆく――。
まだ見ぬ信長の内面を抉り出す、革命的歴史小説!

吉法師は母の愛情に恵まれず、いつも独り外で遊んでいた。長じて信長となった彼は、破竹の勢いで織田家の勢力を広げてゆく。だが、信長には幼少期から不思議に思い、苛立っていることがあった――どんなに兵団を鍛え上げても、能力を落とす者が必ず出てくる。そんな中、蟻の行列を見かけた信長は、ある試みを行う。結果、恐れていたことが実証された。神仏などいるはずもないが、確かに“この世を支配する何事かの原理”は存在する。そして、もし蟻も人も同じだとすれば……。やがて案の定、家臣で働きが鈍る者、織田家を裏切る者までが続出し始める。天下統一を目前にして、信長は改めて気づいた。いま最も良い働きを見せる羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益。あの法則によれば、最後にはこの五人からも一人、おれを裏切る者が出るはずだ――。

累計10万部超え『光秀の定理』の空白はここに繋がり、歴史小説はまた、進化を遂げる。

【絶賛の声!】

歴史小説に確率論を導入した『光秀の定理』の画期は前兆に過ぎなかった。
パレートの定理を応用した『信長の原理』は、システム論的歴史小説という壮大な実験だ。
誰も見たことのない、まったく新しいエンターテインメントの形がここにある。
                   ――斎藤環氏(精神科医)


この本で信長は心理学者であり、それ以上に明敏な社会学者である。
あの謀反の原因も、信長の「社会学説」から解き明かされる。
                      ――大澤真幸氏(社会学者)

史実を踏まえた奇抜な着眼!
    ――谷口克広氏(戦国史専門・歴史研究家)

司馬遼太郎も思いつかなかった、組織論と人事論に根拠を置いた戦国もの。
良い本と巡り合った!
    ――菊池仁氏(書評家)

「パレートの法則」を通して物事の本質を見る信長を描きつつ、
論理からこぼれ落ちる情の部分をもしっかりと描いている。
見事な一作という他はない。
     ――縄田一男氏(書評家)

垣根 涼介[カキネ リョウスケ]
著・文・その他

内容説明

吉法師は母の愛情に恵まれず、いつも独り外で遊んでいた。長じて信長となった彼は、破竹の勢いで織田家の勢力を広げてゆく。だが、信長には幼少期から不思議に思い、苛立っていることがあった―どんなに兵団を鍛え上げても、能力を落とす者が必ず出てくる。そんな中、蟻の行列を見かけた信長は、ある試みを行う。結果、恐れていたことが実証された。神仏などいるはずもないが、確かに“この世を支配する何事かの原理”は存在する。やがて案の定、家臣で働きが鈍る者、織田家を裏切る者までが続出し始める。天下統一を目前にして、信長は改めて気づいた。いま最も良い働きを見せる羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益。あの法則によれば、最後にはこの五人からも一人、おれを裏切る者が出るはずだ―。

著者等紹介

垣根涼介[カキネリョウスケ]
1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

420
垣根 涼介は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。狂気の天才、織田信長の思考と凄味が解る作品、信長物としては、マイベストです。2・6・2の法則、織田信長であれば、考えていてもおかしくないと思われます。信長恐るべし。信長は、サイコパスだったのではないでしょうか?今年のBEST20候補、本書で著者は直木賞受賞でも良いかも知れません。2018/09/29

ウッディ

328
懸命に働く2割、周りに流される6割、全く働かない2割、有能な者を集めても、厳しい訓練をしても、同じく2:6:2になること。蟻の行列を見て気づいた法則に基づき、家臣を鍛え、登用し、他国との戦の戦略を練る信長、激情家であり、新しもの好きとされる彼の根底にあるこの行動原理と心の動きから描いた戦国物語。明智光秀の有能さと信長からの信頼は、大河ドラマ「麒麟がくる」と重なる部分も多く、興味深かった。ただ、残り頁が少なくなっても、彼が本能寺の変を起こすような気配がなく、別な意味でハラハラしてしまったが、面白かったです。2020/06/07

うっちー

313
大作。組織論、パワハラ等々、現代にもつながります2018/09/23

のり

282
スゲェ~。信長スゲェ~って言うか、垣根さんの筆力が凄すぎる。日本人なら大方の人が知ってる織田信長。過去に沢山の方が書かれているが、信長の先見の明・苛烈さ・孤独感がひしひしと伝わってくる。大所帯をまとめるには半端ない統率力が必要。もう少し民を思うように家臣に温情があれば…神仏を否定する信長だが、彼自信「鬼神」ではないか。蟻にまつわる原理や、松永弾正との相互理解を深める数少ない好敵手振りに胸が踊った。2019/02/27

いつでも母さん

233
ただ、白昼の光の下におれの骨を晒すことだけは、意地でもさせぬ。誰にもさせぬ。ー本能寺の変までの信長の生涯を垣根作家が描く。信長を描くのは秀吉や光秀を描くことでもある。家臣団をして『働き蟻の法則』を充ててみるときたか!読み終えてカバーがなんとも・・もし本能寺の変がなければ、今の日本ではなかったかもと思わせるほどの信長。戦国時代の武将は数多けれど信長ほどの強烈な男は他にはいない。「人間五十年 化転のうちを比ぶれば 夢幻の如くなり」垣根版信長、堪能しました。2018/09/24

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