騙し絵の牙

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  • サイズ B6判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784040689043
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

【2018年本屋大賞ノミネート作!】【大泉洋主演で映画化、始動!】出版界と大泉洋という二つの「ノンフィクション」を題材に書く社会派にして本格ミステリー

 『罪の声』を発表し、社会派ミステリーの新たな旗手に名乗り出た、塩田武士。第七回山田風太郎賞を受賞し「本屋大賞2017」第三位に輝くなど、日に日に支持の声が高まるなかで刊行された『騙し絵の牙』は、ノンフィクションを題材としている、という点で『罪の声』と共鳴する。ひとつは、市場規模は右肩下がりで救世主到来を待つ、出版界およびエンタメ産業の現状というノンフィクション。もうひとつは、誰もが知る国民的俳優である、大泉洋の存在というノンフィクションだ。奥付には、次のようなクレジットがある。「モデル 大泉洋」。映像の世界には最初から俳優のイメージを取り入れた役を作ろう、という「当て書き」の文化がある。本書は、主人公に大泉洋を「当て書き」して執筆された、前代未聞の小説だ。
 主人公は出版大手の薫風社で、カルチャー誌「トリニティ」の編集長を務める速水輝也。40代半ばの彼は、同期いわく「天性の人たらし」だ。周囲の緊張をほぐす笑顔とユーモア、コミュニケーション能力の持ち主。部下からの信頼も厚いが、苦手な上司・相沢から廃刊の可能性を突きつけられ、黒字化のための新企画を探る。芸能人の作家デビュー、大物作家の大型連載、映像化、企業タイアップ……。
 編集部内の力関係を巡る抗争やきな臭い接待の現場、出版業界に関する深い議論のさなかでも、ひとたび速水が笑顔を繰り出せば硬い空気がふっとやわらぐ。ひょうひょうとした速水の語りを発端とする登場人物たちの掛け合いがいちいち楽しい。相手も面白くさせてしまう魔法の話術は、誰かに似ている。大泉洋だ。「速水=大泉」の公式は、表紙や扉ページの写真以外に、会話の中からも強烈なリアリティが溢れ出している。
 しかし、速水のそれは高い確率で「つくり笑い」であることを、文中から察することができる。どこまでが演技で、どこからが素顔なのか? 速水は何故ここまで雑誌と小説とを愛し、自らが編集者であることにこだわるのか。やがて、図地反転のサプライズが発動する。「速水=大泉」に必ず、まんまと騙される。
 本書を読み終えて真っ先に想起したのは、塩田のデビュー作『盤上のアルファ』。将棋の棋士と新聞記者をW主人公に据えた同作のテーマは「逆転」だ。出版界の未来に新たな可能性を投じる「企画」として抜群に高品質でありながら、デビュー作から積み上げてきたテーマや作家性が十全に発揮されている。本作を最高傑作と呼ばずして何と呼ぶか。 評者:吉田大助(「野性時代」2017年10月号)

塩田 武士[シオタ タケシ]
著・文・その他

大泉 洋[オオイズミ ヨウ]
写真

内容説明

大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!

著者等紹介

塩田武士[シオタタケシ]
1979年兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒。神戸新聞社在職中の2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー。2012年神戸新聞社を退社。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”で国内部門第1位となる。2017年本屋大賞では3位に

大泉洋[オオイズミヨウ]
1973年北海道生まれ。俳優・タレント。演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバー。大学在学時より出演していた『水曜どうでしょう』は全国で伝説的な人気番組となる。主演映画『探偵はBARにいる』で第35回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を、『駆込み女と駆出し男』では第39回日本アカデミー賞優秀主演男優賞、第58回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞。2013年に発表した著書『大泉エッセイ 僕が綴った16年』は累計42万部を突破(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

802
『罪の声』に続いて、塩田武士2作目です。大泉洋主演小説という試みはユニークですが、特に小説の内容には影響していないような気がします。最初タイトルからミステリなのかと思って読み始めましたが、構造不況業種、出版業界のリアルでした。まるでノンフィクションのような感じです。今後どのようにして電子メディアに移行するのでしょうか?2017/10/18

ウッディ

708
雑誌「トリニティ」の編集長を務める速水輝也。編集者として作家からの信頼も厚く、部下からも慕われ、社内外で一目置かれる存在。斜陽の出版界で雑誌の廃刊危機を回避し、小説の発表の場所を守る為に奮闘する。キレ者でありながら、ユーモアのあるトークで場を和ませ、人の心を掴む速水がとても格好良い。速水の軽妙な言葉が大泉さんの口調に脳内変換され、映像が浮かんでくるようでした。この仕掛け自体が速水編集長の企画ではないかと思わせる二重の仕掛けか?どんでん返し以降が少し冗長な感じがしたが、意欲的な作品で、とっても面白かった。 2018/07/21

bunmei

585
主人公・速見輝也に大泉洋を「あてがき」して描かれた一冊。デジタル化の波は、出版界を斜陽産業へと導き、その中で、何とかその流れに逆らいながら、新たな切り口を見いだそうとしている現状。上司からの軋轢、昔気質の作家への依頼、異業種との提携など、様々な仕事上の苦難に立ち向かい、そこに家庭での孤立感も上乗せされながら孤軍奮闘していく速見。最後は、あまりに意外な展開に唖然としながらも、このタイトルの意味がそこで納得しました。個人的には、毎年、100冊近くは、新しい本を購入し、かなり出版界に貢献しているのかな・・・。 2018/02/06

サム・ミイラ

584
この表紙を見た時の正直な感想。何だこりゃ?なぜ大泉洋が?以来気になっていたけどやっと読めました。彼をモデルにしたコラボ作品でこれが大正解。読みながら頭の中で大泉洋が映画のように動き出す!ひとつ間違えば大コケする手法だけど彼をイメージして書いたのか、ギャグの言い回しひとつとっても大泉洋そのものだからでしょう。内容的には出版社のお仕事小説でありながら現代人の抱える問題をも切りとりまあ面白いじゃないと読み進むもこれがとんでもない話に。やられました。見事です。思わず表紙を見直しました。大泉洋の表情が違ってた(笑)2018/06/09

ケンイチミズバ

521
会話を何度も読み返して笑った。ドラマや映画化が決まっているわけではないのに特定の俳優さんを主人公に想定しての物語が、大泉さんだしうまくいってる。いじられキャラの彼ならこんな表情でこんな冗談を言うだろうなとはまった。各章ごとのポートレイトがこれまた。ネットの力で衰退する業界、よくて現状維持、難局を渡り歩く同世代サラリーマン、中間管理職にとても共感できた。敵も味方も人物それぞれの個性が響いてきてついつい具体的な俳優さんを想像してしまう。封印した関西弁、消したい生い立ち、自分にも似たようなものがあり、頷けた。2017/09/19

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