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出版社内容情報
奇跡的な手腕による森州の平定により一躍歴史の表舞台に名乗り出たガーディ。フローリン姫に取り立てられた彼らが迎えた次なる危機はリエメンの大軍の侵略だった――異端のヒロイック・ファンタジー第3弾!
内容説明
僅かな仲間と共に森州平定という大偉業を成し遂げながらも、相変わらず俗世に疎いガーディ。そんな彼を放っておけないフローリン姫の近侍に取り立てられた矢先、次なる戦いが忍び寄っていた。陸州リエメンを率いる女王ニフレディルが、国の存亡を賭けて10万の大軍を率いてイントラシアへの侵攻を準備していたのだ。その動きを事前に察知したガーディはフローリン陣営の指揮官として、思わぬ人物との同盟を提案する。そして、種族を分け隔てない“究極の優しさ”が、決死の侵略軍すらも救う軍略へと至る時、誰もが予想しない結末が待ち受けていた―!10万の大軍を嵌めるガーディの罠―ヒロイック・ファンタジー第3弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
68
キャラクターの人物像や言動が濃いライトノベルのものなのに、語り口が重厚な軍記を読んでいるようで今回も楽しめた。物語のステージが順調に上がってきたし、主人公も軍師らしさを発揮し始める。作品の独特の語り口は雰囲気だけではなく、お話に没入させる効果にもなっているし、これからの展開を予感させてスケール感が出ているように思う。また異世界の常識や価値観がよく書き込まれていて感心した。種族によってどういう考え方をするのか?みたいのが興味深い。それゆえに主人公の有りようの特異さも浮き彫りになる。なかなかに手堅い仕上がり。2020/09/29
よっち
36
僅かな仲間と森州平定という大偉業を成し遂げながらも、相変わらず俗世に疎いガーディ。そこに沿海州リエメンを率いる女王ニフレディルが、国の存亡を賭けて10万の大軍を率いてイントラシアへ侵攻する第三弾。すっかりフローリン姫に懐かれたガーディはどうにも脇の甘さが目立ちますけど、それとリエメンの侵攻計画を見事に的中させて、その10万の大軍相手に壮絶な戦いを見せた采配のギャップが大きかったです(苦笑)立て続けの大戦果からフローリン姫の国内における立ち位置も変わりつつあって、ここからまたその歴史が大きく動きそうですね。2020/09/25
サケ太
24
軍勢同士の対決という事で、今までで一番戦記だった今巻。脇役のキャラもかなり魅力を増してきた印象。歴史系の書籍っぽく書かれており、今後の展開についても匂わせててとても気になる。2020/10/02
のれん
18
占い=計算演算みたいなこの世界特有の表現が、歴史書という形を通して無理なく読者側に伝わる。改めて作者の力量の高さを感じる。 そしてここで一〇万の大軍の戦いに、戦略よりも兵站が注目視されるところもこのジャンルのプロ感が出ています。 伸びきった兵站、進退窮まった戦場、そこに軍略兵器に異種族混合部隊。ラストまで各キャラがぶれずに終幕しているのが素晴らしい。 あとやっぱり当然挟まれる歴史語りは良い。ガーティの歴史家説明は良かったし、「話を戻す」の単語も司馬遼太郎みたいで面白い。2020/09/26
かっぱ
14
十万にも及ぶリエメン軍の侵攻が始まるシリーズ3弾。軍勢同士の派手な衝突が描かれることでシリーズの中でも戦記モノとしての印象がより強く出ている巻だ。相変わらずの物語の独特な語り口がラノベらしからぬ読み味を与えてくれる。脇を固めるキャラクターにも魅力が出てきたし、敵国のニフレディル女王の策謀には舌を巻くものがあるのに、全てを見透かすガーディの軍師としての才覚には驚かされる一方だ。ブローリン姫の立場が変わりつつある情勢の中で物語がどう転んでいくのかまだまだ楽しみだ2020/10/09