出版社内容情報
小学6年生の悠介は、以前北京で知り合ったミンミンという中国人女性が日本にくることを知る。国境を越えた2人の絆をやさしく描く。
内容説明
カメラマンの父親の取材に同行した悠介は、北京で明明という中国人のおばさんと知り合う。三年後、その明明が、日本にやってきた。まっすぐな性格の明明に振りまわされる悠介。だが、明明には、心に秘めた過去があった。第15回小川未明文学賞優秀賞「ニイハオ!ミンミン」を加筆修正。小学校高学年から。
著者等紹介
森島いずみ[モリシマイズミ]
秋田県に生まれる。通訳業のかたわら児童文学を書きはじめ、『パンプキン・ロード』(学研教育出版)で、第20回小川未明文学賞大賞受賞。『あの花火は消えない』(偕成社)で、第63回産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞
はぎのたえこ[ハギノタエコ]
福岡県に生まれる。オイルパステルによるあたたかく、なつかしさを感じる画風で活躍。第四回イラストレーション通信イラストレーション・コンペ金賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
杏子
18
3年前にとうさんと北京に行って出会った中国人女性のミンミン。その彼女が日本に来ることになって……。中国と日本との違いを感じつつも、同じ人間なのだということを、悠介は実体験で知っていく。とても大きな意味のある話だったが、最後が物足りなかった。2018/05/05
BEAN STARK
8
赤いシルクのハンカチの真相に心が揺さぶられた。2018/08/17
はゆ
5
ミンミンのまっすぐな性格がとても気持ちいい。ぼくの〝空気を読んで!〟という意見に「それなら、なんのために言葉があるのですか」というミンミンの言葉が心に残った。場の雰囲気を察することも必要だけど、なんとなく空気読んで物事を流していくは、言葉にする努力を怠っていることになるんだなと感じた。2018/09/22
おーうち
4
まっすぐな地平線は中国の大地のこと。千葉に住む悠介の突然始めるストーリー。お母さんが悪者になっているけど、みんな力いっぱい生きているのだろう。というか生き方を間違った一本木になってしまっていることも多いのじゃないかな。そんなことに気づかされるお話し。明日は大阪から千葉にお父さんと一緒に帰るだろうし、お母さんを中心に家族が思いやる生活を再出発できるだろう。こんばんはその前の晩で万頭を中国から小麦粉を持ってきてくれた王明明さんと大阪に住むお兄さんがお祝いしてくれる日になりそう。さっと読める本ですが奥が深い。2020/10/17
HNYYS
4
図書館本。「おたがいの違いを尊重しなければいけない」国籍の問題だけでない、個の尊厳を改めて突きつけられたような気がします。いい顔の子どもたちが減っている、と会話がありました。でも、それは子どもたちのせいだけではなく、大人や社会の影響も多分にあるのだと思い、考えさせられました。2020/03/22