出版社内容情報
宝集めに夢中だった三人組の大盗賊が、ひょんなことから全国の孤児を集め、お城をプレゼント。 3才から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
472
これが今のところアンゲラーの代表作か…という絵本。お話の前半は幾分不道徳ではあるものの、読み聞かせにも効果抜群!表紙の一抹の不穏さを秘めた妖しさから既にいい。最初のページでの3人組の登場は、もうワクワクもの。「おどしのどうぐ」がまた素敵。とりわけ「こしょう・ふきつけ」なんて。絵はいつも以上にアピール度が強いのだけど、基調になっている黒と鮮やかな赤が効いている。お話の後半はおとなしくなってしまうけれど、まあ仕方がないところか。物語の向こうまで運んでくれるエンディングは、薄明の中。 2023/12/19
馨
309
益田ミリさんの『おとな小学生』で紹介されていた作品。気になったので読了。怪しい三にんぐみのワルが、たくさんの孤児の為にお城をつくるという、表紙の不気味さからはほど遠い良いお話でした。2016/06/26
zero1
273
ゴルゴ13はスイス銀行の金をどう使っている?あまりに有名な絵本を再読。三人組の泥棒がラッパ銃やマサカリを使って金品を奪う。ある夜、三人はティファニーちゃんを連れ去る。宝の山を見つけた彼女は使い道について訊く。使い道など考えてなかった三人は…。目的が手段になっている人っているもんだ。何かのきっかけで目的を定めることができる。義賊というのは昔から存在し、犯罪者なのに共感してしまう。「富の再分配」と考えれば、人を救えない政治家より泥棒のほうがずっと偉い。2019/08/02
Willie the Wildcat
227
純真無垢な質問。異なる視点。これまで考えたことが無いことに、気づく。本当に大切なことが何かに、気づく。結果論とも思うが「盗人にも三分の理」!当時の世相も反映していたのかもしれない・・・。絵は、”夜”を基調とした水彩画。目だけで語る三にんぐみが印象的。不言実行!に好感。2013/12/30
やすらぎ 🍀安寧祈願🍀
223
人から物を盗んではいけないはずなのに、この黒マントに黒ぼうしの3人組の物語からは爽快感と達成感が漂う。獲物はおらんかな。夜の馬車を襲い金銀財宝を目的もなく集めていたけど、ある少女のおかげでその価値の使い方が正しさに導かれていく。お金は使わなければ価値は生まれないものだし、使っても不安が増すだけで後悔することも多いけど、使い方によってはその価値を大きく上回るものが得られることもある。限りあるものを他者のために使うことって難しいけど、お金の存在の大きさを改めて学ぶことのできる、面白くて切り口の愉快な絵本です。2023/11/27