出版社内容情報
『ちからたろう』『しばてん』『ふきまんぶく』『とべバッタ』など、大胆な筆づかいで、ほとばしる生命の躍動を描いてきた絵本作家・田島征三が、忘れられない少年の日の原体験をテーマに取り組んだ入魂の一冊。
夏のある日、川の浅瀬に大きな魚がいるのをみつけたぼくは、そっと近づこうとしたが、足をすべらせて川に落ちてしまう。水の中で懸命にのばした指が魚にふれると、ぼくは無我夢中でそれをつかまえた──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
42
必死に魚をつかまえようとする子ども、そして、なんとしてでも逃げようと惑う魚、水しぶきをあげる川…力強く伸びやかで生き生きと描かれた田島さんの絵の躍動感、さすがです!最後がまたいいなぁ〰️。夏にまた読みたくなりそう!2021/01/09
ヒラP@ehon.gohon
34
川でさかなとりしている少年も、水の中で逃げ惑う魚も、生きている躍動感に満ちあふれています。 だからやっとの思いでつかまえた魚には畏敬の念を持つのでしょう。 つかまえた魚が草の上でぐったりしているのを見て、命の大切さを思うことは、矛盾を持っているとは思いますが、この気持ちはよく解ります。 川に逃がしてあげて(?)、良かったですね。2020/09/13
ほんわか・かめ
25
捕まえた魚を「いのちがあばれる」と表現するあたり、やっぱりすごいな!2020/07/30
入江
22
Eテレ「日曜美術館」で興味をもって。これぞ田島征三! 田島氏は大変失礼ながら、好々爺ではない。表面的にはいいおじいちゃんにみえる。でも、もっと人間くさい人だと思う(番組をみて)。躍起になってあがいてみたり。妻にDVをしたり…。絵本は、そんな田島氏の作品にしてはあっさりめなのに、力が抜けていない。グリグリというか、ぶるんぶるんというか。『E.T.』を想起させるほど、素晴らしい作品でした。2020/10/10
ochatomo
18
人生を感じる 思うようにいかないところ、ありえない夢をみるところ、命を慈しむところ 絵の印象は明るく爽やか 2020刊 “絵でいのちを表現したい” https://www.1101.com/n/s/seizo_tashima/2019-12-04.html2021/04/09