出版社内容情報
インテリジェンスを制する者が国を治める。徳川260年の泰平も崩壊も極秘情報をめぐる暗闘の成れの果て。将軍直属の密偵・御庭番、天皇を見張る横目、実は経済スパイだった同心──近世政治史の泰斗が貴重な「隠密報告書」から幕府情報戦略の実相を解き明かす。
内容説明
江戸幕府は全国各地へ派遣した「密偵」を通じて天皇・朝廷や大名家(藩)、旗本・御家人の情報、民意の動向を内密に収集した。「鎖国」といいながら朝鮮・琉球との国交、中国・オランダとの貿易、蝦夷地での交易など内外の情報も独占的に入手した。その収集、伝達、分析プロセスは?謎とされてきた隠密活動の全体像がついに明らかになる!
目次
序章 幕藩体制の核心はインテリジェンスだった!―情報と江戸時代の政治・交通
第1章 将軍直属の「スパイ」がいた!―御庭番の情報収集と幕府政治
第2章 大名と幕臣を監察する将軍の「目」―小人目付の情報収集と幕政
第3章 「探検家」の真の任務とは?―勘定所普請役の情報収集
第4章 犯罪捜査と経済調査のエキスパート―町奉行所隠密廻り同心の情報収集
第5章 異国船とアヘン戦争、鎖国下の情報戦―オランダ風説書と対外政策
第6章 「敗戦」という不都合な事実の拡散―文化露寇事件の情報と政治
終章 インテリジェンスの大失策が幕府の命取りに!―天皇・朝廷情報の収集
著者等紹介
藤田覚[フジタサトル]
1946年、長野県生まれ。千葉大学文理学部卒、東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。専攻は日本近世史・近世政治史。東京大学史料編纂所教授、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授を経て、東京大学名誉教授。著書に『近世後期政治史と対外関係』(東京大学出版会、角川源義賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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