出版社内容情報
人口減少はこれからの日本にとって希望ある転換点ではないのか。大佛次郎論壇賞ほか数多くの受賞暦をもつ著者が、人類史のなかに人口減少社会を捉え直し、成長・拡大路線から脱し、持続可能な福祉社会に向けてコミュニティ経済を提言する注目の書。
内容説明
私たちが直面しつつある「人口減少」問題は、悲観すべき事態ではなく、むしろ希望ある転換点、真に豊かで幸せを感じられる社会への格好の入り口ではないのか。明治維新以降そして第2次世界大戦後の日本人は、経済成長・拡大路線をひたすら走り続けてきた。人類史のなかで第三の定常化社会に入りつつある今こそ、人々の意識と社会のありようは大きな転換を迫られている。ローカルな地域に根ざしたコミュニティ経済と、「地球倫理」とも呼ぶべき価値原理。大佛次郎論壇賞ほか数多くの受賞歴をもつ著者が、日本が実現していくべき新たな社会像とその具体的イメージを大胆に提示する。
目次
人口減少社会という希望
第1部 人口減少社会とコミュニティ経済―ローカルへの着陸(ポスト成長時代の価値と幸福;コミュニティ経済の生成と展開;ローカル化が日本を救う;情報とコミュニティの進化;鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想;福祉都市または人間の顔をした環境都市;環境政治の時代―3大政党プラス“緑”へ;緑の福祉国家あるいはエコソーシャルな資本主義)
第2部 地球倫理のために―科学・宗教・福祉またはローカル・グローバル・ユニバーサル(「自己実現」と「世界実現」;『古事記』と現代生命論―アジア/地球に開かれたアイデンティティに向けて;「成長のための科学」を超えて;「もうひとつの科学」は可能か;統合医療の意味;日本の福祉思想―喪失と再構築;地球倫理の可能性;自己形成的な自然―地球倫理と宇宙)
著者等紹介
広井良典[ヒロイヨシノリ]
1961年岡山県生まれ。千葉大学法経学部教授。東京大学教養学部卒業(科学史・科学哲学専攻)、同大学院修士課程修了(相関社会科学専攻)。厚生省勤務を経て1996年千葉大学法経学部助教授、2003年より現職。この間2001‐02年マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員。社会保障や環境、医療・福祉、都市・地域にかんする政策研究から、時間、ケア、死生観等をめぐる哲学的考察まで、幅広い活動を行っている。著書に、『日本の社会保障』(エコノミスト賞受賞)『コミュニティを問いなおす』(大佛次郎論壇賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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