朝日選書
東大寺お水取り―春を待つ祈りと懺悔の法会

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599520
  • NDC分類 188.36
  • Cコード C0315

内容説明

1250年以上途絶えることなく伝え継がれた仏教行事。3月1日深夜、あたりの気を払い、11人の僧が次々とお堂の中に入って行く。ドッドッドッドッと床を踏み鳴らす音が響く。14日にわたる大法会「お水取り=修二会」の始まりである。僧たちは、世の人々に代わって、観音菩薩にその罪の許しを乞い、除災招福を祈り、修法を行う。蓮日の行である。さらに密教や修験道、神道、民俗、外来の要素まで取り入れ、稀有な大法会は伝えられた。古から人々は、勇壮なお松明で知られるこの法会に大きな期待をかけ、祈りを込めてきた。女人禁制の法会を、40年以上見続けてきた第一人者による「お水取り」への誘い。

目次

1 悔過会と修二会―「お水取り」とはどんな法会か
2 「お水取り」の今
3 六時の勤行―三つの法要
4 法会開白
5 お水取りの伝説と行事
6 お水取りあれこれ
7 結願の諸作法

著者等紹介

佐藤道子[サトウミチコ]
1930年、台湾台中州生まれ。東京女子大学専門部国語科卒業。現在、東京文化財研究所名誉研究員。文学博士。仏教芸能専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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レアル

48
東大寺二月堂で行われるお水取り。奈良では「この修二会がおわると春が始まる」と言われている。そんなお水取りの勤行を詳細に描いている。お水取りの表舞台ではどのような事が行われているかは見に行ったり、紙面等でよく知るところだが、裏舞台では、そしてどのような内容の修二会なのかを知る機会がほとんどなかったので、この本はその修二会を知る良い機会の本だった。2019/08/09

井月 奎(いづき けい)

46
奈良に春を告げる東大寺のお水取りは松明が晩冬の夜を焼く様子が有名ですが、堂内で行われる法要が素晴らしいのです。数年前に一度、体験したときは感動しました。その際は古代仏教の彩りが強いのだろうなあ、と思っていましたが本書で教えてもらったのですが、仏教のみならず、日本の神々への祈りも同座しているのだそうです。さらには火を崇める様子はゾロアスター教の影響もあるかもしれぬとのこと。いや、これはもうさらに調べて、来年のお水取りで体験しないといけないですね。いや、古寺の供養、深いものです。2021/10/18

chang_ume

11
古代仏教で重視された「悔過会」(懺悔の法会)と、新年の豊作を願う「祈念祭」のいわば習合として、東大寺二月堂の修二会(お水取り)を解説していく。年頭の修二会あるいは修正会が、他寺では民間習俗的な祈念祭の性格が濃い一方で、二月堂の場合は、「悔過作法」の執行によって個の懺悔を全体の利益に変換する「回向」の要素が今も強いことを理解。この悔過と回向のメカニズムは、他の古代寺院にも適用され得る要素であり、もっと学びたい。収録された写真も大変貴重。五体投地の最中、僧の全身が浮いている一枚には大きく感動を覚えました。2020/03/09

とり

2
課題の参考書として読了。やはりキーワードが難しくわからないところも多々あったが、少しは知ることができたと思います。あー奈良に行きたい!2011/09/28

Wataru Hoshii

1
9年前の修二会のとき、練行衆に密着してひと月を過ごした。著者とはそのときに面識を得た。お水取りの本格的な解説書はこれまで高価な大型本か難解な専門書しかなかったので、手軽に入手できる本ができて良かったと思う。でもこれ、お水取りを見たことのない人が読んでも絶対にわからないだろうな。そのぐらい専門的で緻密な本。修二会はひとつの巨大なテクストであり、その読み解き方をガイドしてくれる。2010/02/19

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