朝日選書
キムはなぜ裁かれたのか―朝鮮人BC級戦犯の軌跡

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  • サイズ B6判/ページ数 382p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599483
  • NDC分類 329.67
  • Cコード C0321

内容説明

連合国によるBC級戦犯裁判では、朝鮮人148人が有罪となり、23人が死刑になっている。なぜ多くの朝鮮人が戦犯になったのか。戦時中、日本軍は捕虜の扱いを決めたジュネーブ条約を無視し、連合軍捕虜の4人に1人が死亡した。その捕虜監視を朝鮮人に当たらせていた。裁判では、命令に従うしかなかったにせよ、個人の責任が厳しく追及されたのだった。戦後、「日本人」としてスガモプリズンにつながれ、釈放後は「外国人」として補償や援護の対策からはずされ、「対日協力者」として祖国にも帰れなかった朝鮮人戦犯たち。彼らを30年間追ってきた筆者は、裁判記録と本人証言をつきあわせ、現場を歩き、被害と加害が錯綜する歴史の真相を明らかにする。彼らはなぜ、何を、裁かれたのか。植民地支配、捕虜政策、戦争裁判、戦争責任を検証し、彼らの人生をたどりながら、「戦争」と「戦後」を問う。

目次

第1章 帰れなかった故郷
第2章 強制か志願か
第3章 日本軍と捕虜
第4章 ジャワ極楽、地獄のハルク
第5章 「なぜ戦犯に?」
第6章 死刑の恐怖
第7章 日本へ、スガモプリズンへ
第8章 戦争責任・戦後責任

著者等紹介

内海愛子[ウツミアイコ]
1941年、東京都生まれ。早稲田大学文学部で社会学・マイノリティ研究、同大学院博士課程修了。日本朝鮮研究所、インドネシア・パジャジャラン大学、立教大学、恵泉女学園大学などを経て、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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おかむら

37
ある朝鮮人BC級戦犯の生涯を追うことで、日本が植民地の人たちや連合国(英蘭豪)捕虜にどんだけ理不尽で非人道的なふるまいをしてきたのかがわかってショック。リアル「戦場のメリークリスマス」。戦前の日本は全く美しい国なんがじゃなかったよ。こういう加害者としての負の歴史を日本人は忘れる又は知らない。最近のしつけ事件を海外メディアが大きく報道したのも、日本人って昔からそういう感じだよねという意識があるからじゃないかしら。海外から実はそんなに好かれてないぞ日本。捕虜収容所はマイブームなので今後も関連書籍読むぞ。2016/06/17

ののまる

8
泰緬鉄道を始め各捕虜収容所の監視員にさせられていた朝鮮人(当時は日本人として)軍属たちが、BC級戦犯裁判で148人が戦犯となり、23人が死刑となった。巣鴨プリズンでは「日本人」として服役し、釈放後は「外国人」として日本政府から保証も謝罪も何もかも切り捨てられた。被害の歴史だけじゃなくて、加害を繰りかえさないために,知るべきこと。2023/08/11

takao

1
BC級戦犯裁判では、朝鮮人148人が有罪となり、23人が死刑となっている。連合軍捕虜の監視に朝鮮人が当たり、捕虜虐待の責任が問われた。2018/05/06

ミネチュ

1
まず朝鮮人かどうか抜きにしてBC戦犯問題というものを考えさせられます。 次に、捕虜に対する待遇について考えさせられます。ここ数か月日本で大きな問題になっている体罰問題は日本の軍隊式考え方に問題があるのではと思いました。日本(軍?)では暴力というのは大きな問題じゃなくてごく当たり前のことだったんですが、欧米では当時から大きな問題で全然暴力に対する考え方が違ってたようです。だから、裁かれたBC級戦犯は、まさか自分たちの暴力が"戦争犯罪"などという大きな罪に相当するなんて思いもしなかったとのこと。 そしてこ2013/02/17

hannover

0
どちらが正しいとか間違っているとか加害者なのか被害者なのかといった二分法では見えてこない「日本人」として戦犯扱いされ、「外国人」として戦後の日本を生きてきた人々についての本。2009/05/16

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