内容説明
連合国によるBC級戦犯裁判では、朝鮮人148人が有罪となり、23人が死刑になっている。なぜ多くの朝鮮人が戦犯になったのか。戦時中、日本軍は捕虜の扱いを決めたジュネーブ条約を無視し、連合軍捕虜の4人に1人が死亡した。その捕虜監視を朝鮮人に当たらせていた。裁判では、命令に従うしかなかったにせよ、個人の責任が厳しく追及されたのだった。戦後、「日本人」としてスガモプリズンにつながれ、釈放後は「外国人」として補償や援護の対策からはずされ、「対日協力者」として祖国にも帰れなかった朝鮮人戦犯たち。彼らを30年間追ってきた筆者は、裁判記録と本人証言をつきあわせ、現場を歩き、被害と加害が錯綜する歴史の真相を明らかにする。彼らはなぜ、何を、裁かれたのか。植民地支配、捕虜政策、戦争裁判、戦争責任を検証し、彼らの人生をたどりながら、「戦争」と「戦後」を問う。
目次
第1章 帰れなかった故郷
第2章 強制か志願か
第3章 日本軍と捕虜
第4章 ジャワ極楽、地獄のハルク
第5章 「なぜ戦犯に?」
第6章 死刑の恐怖
第7章 日本へ、スガモプリズンへ
第8章 戦争責任・戦後責任
著者等紹介
内海愛子[ウツミアイコ]
1941年、東京都生まれ。早稲田大学文学部で社会学・マイノリティ研究、同大学院博士課程修了。日本朝鮮研究所、インドネシア・パジャジャラン大学、立教大学、恵泉女学園大学などを経て、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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