内容説明
注意深く見渡すと、私たちの身のまわりには、じつにたくさんの種類の植物がある。でも、私たちはどうしても、動物のほうに気をとられがちだ。植物が動物といちばん違うのは、動けないこと。でも、動けない植物は、動ける動物以上に、この地球上で繁栄している。植物はじつは、「動けない」のではなく、「動かない」生き方で成功したのだ。環境を変えるのではなく、環境に合わせて体の大きさや形を変えること、枝が折れたり葉がとれたりしても簡単に再生できること…。「動かない」植物の合理的な生存戦略を紹介する。
目次
1章 植物と動物―どこが違うのか
2章 葉の形を決めるもの
第3章 花を咲かせる仕組み―「花成ホルモン」フロリゲンの探索
4章 遺伝子の働きによる花の形づくり
5章 受精のメカニズムをとらえた!
6章 根―植物の隠れた半分
7章 根における共生のいとなみ
8章 4億年の歴史をもつ維管束
9章 成長をつづけるためのしたたかな戦略―頂芽優勢
10章 「第2の緑の革命」に向けて