中東の絶望、そのリアル―戦場記者が、現地に暮らした20年

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中東の絶望、そのリアル―戦場記者が、現地に暮らした20年

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  • サイズ B6判/ページ数 346,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022514332
  • NDC分類 319.26
  • Cコード C0031

出版社内容情報

ジャーナリストである著者が、中東に20年暮らした視点で戦場に身を置き、その実体験から複雑な歴史の概要を簡潔に解説。

内容説明

中東から見た世界。ヨーロッパが引いた中東の国境線、100年の呪縛。IS戦闘員に加わる若者たちの論理。欧米の過ちと中東の矛盾が衝突する、失望と憤怒。戦場ジャーナリストが考察する絶望の次の中東―

目次

PROLOGUE 「中東問題」の責任(1996‐1997カイロ)
1 夢想するカイロ(1997‐2000カイロ)
2 殺しのラリー(2000‐2003エルサレム)
3 イラク・サバイバル(2003バグダッド)
4 ステージ4の戦場記者(2003‐2006バグダッド)
5 国境地帯に降る爆弾(2006ベイルート、イスラエルとレバノンの国境地帯)
6 ISの萌芽(2006‐2007ベイルート)
7 独裁者と「アラブの春」の幸福(2008‐2011カイロ、リビア、シリア)
8 誘拐とパスタ料理(2011‐2013シリア)
9 増殖するISの残忍(2012‐2015中東周辺)
EPILOGUE 絶望の次の中東へ(2015ニューヨーク)

著者等紹介

エンゲル,リチャード[エンゲル,リチャード] [Engel,Richard]
NBC首席海外特派員。1973年生まれ。スタンフォード大学卒。大学卒業後の1996年、エジプトのカイロに渡ってアラビア語を学び、そのまま記者に。2003年のイラク戦争では、危険な状況になっても現地に残り続けた最後のアメリカのテレビ記者として、一躍名前が知られるようになる。「アラブの春」では、流暢なアラビア語を駆使して危険な現場まで潜り込み、シリアでは武装勢力に誘拐されるという壮絶な体験もしている。エミー賞報道部門受賞の常連で受賞歴10回(2016年10月時点)

冷泉彰彦[レイゼイアキヒコ]
作家、ジャーナリスト。1959年生まれ。東京大学文学部卒。1993年に渡米、コロンビア大学大学院修士課程修了。プリンストン日本語学校高等部主任などを務める。2001年のアメリカ同時多発テロ以後、村上龍氏主宰のメールマガジン「Japan Mail Media(JMM)」にてコラム「from 911/USAレポート」を開始。同コラムやメルマガ「冷泉彰彦のプリンストン通信」で、アメリカ最新時事を伝え続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カザリ

52
中東が安定化する時代は来るのか、考えると難しいなあと思う。それは筆者が言うように中東がユーラシア大陸のまさに中央に位置するからだろう。歴史の必然として、栄枯盛衰の果てに滅亡するならまだしも、中東はその地理的条件から常に他国との緊張があり、歴史のダイナミズムから取り残されたあとも、石油という自分たちの能力以外のところで経済的な基盤ができてしまった。さらに、大国が残した大量の武器。そして、国民国家という妥当な制度になじめなかったかわりのイスラム教というイデオロギー。イスラム教がもっと優しくなれればいいのになあ2017/08/31

クリママ

42
著者は戦場ジャーナリストでありNBC首席海外特派員。大学卒業直後からエジプトで暮らし、中東に20年。一個人の話を全て信じることはできないが、世界で一番中東のことを発信できる人なのだろうと思う。今なお続く紛争の原因をイスラム教の起源から解説し、アメリカの介入、不介入がどういう状況を引き起こしたのか考察する。それは大変わかりやすく、ありがたい。中東の美しい場所が何か所も書かれている。今は訪れることもかなわないそんな場所を、著者はどんなに愛しているだろう。絶望の今に希望の光がさすことを祈り、この本を薦めたい。 2017/09/18

KEI

34
読友さんのレビューで知り、読まなければと思った本。本書は大学卒業後、カイロに渡りアラビヤ語を学び、フリーランスの記者からNBCの特派員となった著者の20年に渡る見分とその分析を述べてある。イスラム教のスンニ派、シーア派による1000年以上にわたる抗争や2つの大戦後の西欧諸国の介入により、混沌化していく様はパンドラの箱を開けてしまったかの様だ。ISの誕生と拡大の経過も良く分かった。破壊された街を追われ、安住の地を求める多くの難民が再び平和な生活に戻れる日が来るのだろうか?2018/07/11

DEE

10
ジャーナリストが書いた中東関連の本を何冊か読んでいるうちに、時に命懸けで行かねばならない理由みたいなものが、少しだけ掴めたような気になる時がある。 テロが対岸の火事ではなくなった今、なにが起きているのか知らないことは一番危険なこと。 もちろん全てを伝えきることはできないしバイアスもかかるだろうけど、それでも。2017/02/18

えそら

6
本の装丁や邦題の体裁が、どうですセンセーショナルでしょう?と言われているようで、誠実さを感じられずに避けていた一冊。レビューにつられて読んでみたら内容の良さに、「どうしてこの装丁、この帯?」と、疑問を感じずにはいられなかった。20年に渡って中東で取材を続けたジャーナリストの生の声から、現在の複雑な紛争の経緯を学ぶことができる。アメリカの歴代大統領の方針の不一致が生んだ状況に関する記述がこの著者ならではだと感じた。2018/02/17

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