内容説明
哲人の言葉に頼ることなく、ごく普通の人々の言葉、意見、情報を手掛かりに、政治哲学を論じる。政治を考える時の基本事項から、今実際に政治の現場で議論されている最先端のトピックまで、政治理論の基礎が簡潔にまとめられた、全ての人に手に取ってほしいテキスト。充実した文献リストを手掛かりに、より深い学びへと導く。
目次
1 政治哲学はなぜ必要なのか
2 政治的権威
3 デモクラシー
4 自由と統治の限界
5 正義
6 フェミニズムと多文化主義
7 ネイション、国家、グローバルな正義
著者等紹介
ミラー,デイヴィッド[ミラー,デイヴィッド] [Miller,David]
1946年生まれ。オックスフォード大学ナフィールド・カレッジ(Nuffield College)の社会・政治理論のフェロー。オックスフォード大学政治理論教授
山岡龍一[ヤマオカリュウイチ]
1963年生まれ。国際基督教大学卒。ロンドン大学(LSE)博士課程修了(Ph.D.取得)。現在、放送大学教授
森達也[モリタツヤ]
1974年生まれ。南山大学法学部卒。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(政治学)。現在、早稲田大学任期付講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ほし
14
総裁選に衆院選が控えた今、政治を改めて根本から考えるのも悪くないだろう、と手に取った一冊。政治哲学、と銘打たれていますが、専門的な言葉はほぼ出て来ず、誰でも議論に参加できるような平易な文で書かれています。筆者の主張は極めて穏当でラディカルさは無く、それもあってやや退屈な読み心地に感じるところもあったのですが、解説を読むことでその穏当さが分析的政治哲学の特徴に由来するものであることが分かり、腑に落ちるところがありました。複雑さと不透明さを増す昨今の政治ですが、考えることは手放したくないなと思います。2021/09/24
スプリント
7
政治哲学を知るにはよいとっかかりになる本です。2019/09/29
politics
6
政治的権威、社会正義といった政治哲学の基本的議論を論じた後、フェミニズム、多文化主義、ネーションとグローバリズムといった議論を著者の視点から論じたもの。入門書よりは一歩背伸びのいる内容だろうか。特にネーションとグローバリズムに対する著者の提案はかなり興味深かった。現代の政治哲学を考察する上で本書は格好の叩き台になるだろう。2021/01/22
hurosinki
4
明快ではないけれど平易かつ納得のいく議論。飛躍に乏しく、提案される改革案も漸進的なもの。なので全体的に覇気が欠けるといえばまあ…自由やデモクラシーなど政治哲学の各テーマについて有名な議論を紹介しつつその本性に迫る。フェミニズムや多文化主義に対しては、それ自体に独立した主張がある、というより既成の考えに対する異議申し立てと捉えているのが印象的2020/03/25
hryk
3
勉強になった。5章の正義の章が難しかった。2020/05/19