出版社内容情報
ネットやテレビの膨大な情報から「真実」を読み取るにはどうすればよいのか。若い世代のための情報リテラシー入門。
内容説明
ネットやテレビを通して流れる膨大な量のニュースや情報…。あふれる情報の中から誤った情報に惑わされずに「事実」を読み取るにはどうすればよいのか。長年にわたってNHKの報道番組ディレクターとして報道に携わってきた著者が、報道のあり方やネット情報の仕組みを論じ、情報の正しい読み取り方を伝える。
目次
1 相次ぐ「フェイクニュース」の出現―何が本当の情報か
2 事実をどう集め、伝えるか―私がテレビでめざしたこと
3 それはわずか数行の情報から始まった―緊急報道の舞台裏
4 テレビとネット、どう見られているか
5 インターネット情報はどう生み出されているか
6 テレビだからできること―大きな時代の変わり目に
7 多様な意見をどう生かすか―テレビと政治の現実
8 ネット時代、ニュースや情報をどう読み解くか
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
114
このようなネット中心の時代になると本当にどれが正しいのかわからなくなるときがあります。出来事を淡々と報道してくれるメディアはいいのですが今はネットの書き込みなどを見ると読むに耐えないものが非常に多いと感じてしまいます。最近は新聞もできるだけ読むところを決めています。このような本をできるだけ中学生あたりから読んで、自分で判断していく習慣を身につけていってほしいと感じました。2018/06/12
kinkin
78
事実とはなにか、事実を知るためにどうしたらよいか。フェイクニュースの台頭でネットニュースは読み手の認識が多様化しそれがまた新たなフェイクニュースとして一人歩きする世の中。テレビや新聞という巨大なメディアも受け売りのニュースのせいで事件の被害者のプライバシーや容疑段階でいつのまにか犯罪者になり冤罪となるケースもある。どんなニュースでも受ける側の我々がいったんそれは怪しくないか、真実なのか疑ってみることが必要ということ、報道の現場についても書かれている。参考になることが多かった本。図書館にて。 2019/06/12
なま
12
★4 半分は著者のNHK勤務時代のニュースや当時気をつけていた裏付け等が「読者側」でなく「制作者側」から語られる。フェイクニュースには快楽的、意図的、信頼性を確認せず拡散されたもの以外に経済的に貧困層の人々が巨額広告収入に惹かれてというのも有るようだ。参考になったのは1章フェイクニュースの出現、5章ネット情報はどう生み出されるか?、8章情報をどう読み解くか?(章タイトルは一部要約)大切なのは情報源の確認、他とクロスチェック、真実は1つでも考え方と意見は白黒だけでなく人数分グラデーション。2022/08/26
流石全次郎
10
ネットや新聞TVなど各種の情報の違い、あるいはSNS炎上などについてNHKの元番組ディレクターの経験に基づく説明と解説。特にトランプ大統領のSNSをとおしたマスメディアとの対立やそれが大国の思想を二極化させた現象などから情報の接し方も急激に変化している事が述べられでいました。一方で、NHK番組ディレクターの知識と経験、体験談などがページの大半を占められそちらが主題の本では?というのが率直な感想です。2021/09/30
フリスビー
10
著者がNHKのディレクターなせいか、本筋の内容よりNHKのスポークスマン的な部分が多く、少しうんざりした。「世の中には情報が多すぎる」「事実や情報の正確さをないがしろにして、自分の考えばかりを声高に主張する風潮とは相容れない」という言葉には同意。本の年齢層とミスマッチではあったが、文章がていねいで整っていて、そこはさすが報道人と感心した。2018/04/20