岩波ジュニア新書<br> 姜尚中と読む夏目漱石

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岩波ジュニア新書
姜尚中と読む夏目漱石

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  • サイズ 新書判/ページ数 199p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784005008216
  • NDC分類 K910
  • Cコード C0295

内容説明

『こころ』『吾輩は猫である』『三四郎』『それから』『門』…広く知られた漱石の小説ですが、じっくりと読んでみたことはありますか?鋭い社会へのまなざしや深い人間洞察には、読み返すたびに新しい発見があります。漱石作品を心の糧にしてきた著者と一緒に、100年以上読み継がれる奥深い魅力を味わってみませんか。

目次

第1章 文明社会はギリギリだ―『吾輩は猫である』を読む(苦しいイギリス留学;ユーモラスで博覧強記な作品;漱石の多面性 ほか)
第2章 『三四郎』『それから』『門』を読む―人間はどう変わるか(前期三部作;ビルドゥングスロマン;三四郎の場合―汽車に乗って文明の世界へ ほか)
第3章 『こころ』を読む―受け継がれる物語(『こころ』を読む意味;『こころ』の構造;先生との出会い ほか)

著者等紹介

姜尚中[カンサンジュン]
1950年、熊本県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。国際基督教大学助教授・准教授、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授、聖学院大学学長などを経て、東京大学名誉教授、熊本県立劇場理事長兼館長。専攻は政治学、政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しょうじ@創作「熾火」執筆中。

22
【第3章のみ】読書会で読む『こころ』の参考文献として読んだ。「100分de名著ブックス」と内容的に重なる部分が多いが、それは苦にならなかった。著者は、漱石が『こころ』で描いたものは、先生から私、私から『こころ』を読む者へとあてられた、想いの連なりであるとしている。実は『こころ』は未だ60%程度しか読んでおらず、先にこちらを読むのは「反則」なのかもしれないが、明快な補助線を得た気持ちでいる。2019/03/28

たくのみ

15
「猫」にでてくる、「トイフェルスドレッグ君に譲る」はカーライルの「衣服哲学」の主人公のこと。藤村操の自殺が、首括りの哲学につながっている。ビルドゥングスロマンといえる「三四郎」「それから」「門」。そこにある崖の上と崖の下の格差。ジュニア向けとは思えない、今の社会をどう見るかにつながる漱石分析。読みごたえありました。2016/06/18

うずら

13
先日読んだ「こころ」に納得がいかなかったので読んでみた。青少年向けだったので読みやすいんだけど、ますます納得がいかない。2016/08/16

雨巫女。@新潮部

9
《私-図書館》熊本の私の近所に、漱石の関連の史跡があるし、姜さんの母校や実家の近所だったせいか、共感する。三部作が、未読だし、もう一度、漱石作品を読みたくなりました。2016/09/13

ともすけ

9
姜尚中独自の視点から夏目漱石を読んでいる。文学者によらない漱石像が浮かび上がっている。社会と漱石の関わりを中心に描き、抽象的思考に陥らず漱石のその当時の人間像を描こうとする。この本では前期三部作と『こころ』について語られているが、『こころ』の姜尚中の解釈は自分のそれとかなり近いところがあった。ただ僕は、「淋しい人間」、「父母未生以前本来の面目」については見解を異にする。様々な分野の人間が様々な漱石を読むことができる、それほど漱石作品とは懐の深いものである。姜尚中の漱石への愛を感じられる一冊。良書である。2016/05/14

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