出版社内容情報
神岡と出会い、カミオカンデを構想し、性能のすぐれた観測装置につくりあげていった。そして世界初のニュートリノ観測。2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴先生が、研究の道のりとニュートリノ物理学を楽しく語る。
内容説明
2002年にノーベル物理学賞を受賞した著者が、研究のみちのりとニュートリノ物理学を語る。神岡と出会い、カミオカンデを構想、性能のすぐれた観測装置につくりあげていき、そして世界初のニュートリノ観測へ。朝永振一郎先生や弟子の戸塚氏らへの思い、若い世代への期待もあわせて、楽しく心打たれる物語になっている。
目次
1 ニュートリノ観測に成功!
2 子ども時代と青春時代
3 研究者として歩みだす
4 朝永振一郎先生
5 カミオカンデをつくる
6 ノーベル賞と財団の夢
著者等紹介
小柴昌俊[コシバマサトシ]
1926年愛知県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。ロチェスター大学大学院修了。Ph.D.理学博士。東京大学理学部教授、素粒子物理学国際センター長などを歴任。現在、東京大学名誉教授、同特別栄養教授、財団法人平成基礎科学財団理事長、日本学士院会員。2002年ノーベル物理学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かもすぱ
13
小柴昌俊氏の自伝。戦争と青春期の話、アメリカでの武者修行の話、カミオカンデ裏話など。本書ではノーベル賞がさらっと触れる添え物程度で、小柴氏の人生ではおまけみたいなもんなんだろうか。飄々とした語り口で、あんまり理論面で苦労してる場面が出てこない。とことん実験畑の人なんだなあと思う反面、理論畑の朝永振一郎と意気投合しまくってて微笑ましい。朝永先生エピソードをもっと読んでいたかったほど。(朝永先生は『滞独日記』でめちゃくちゃ落ち込んで苦労してたのと対称的。)2021/06/25
色々甚平
9
ノーベル物理学賞をとられた小柴さんの自伝。この本は物理学を学んでいなくても大丈夫、ニュートリノの話もざっくりと書かれているので気兼ねなく読み進められる。元々ドイツ文学の方面に進もうとしていた姿は結構意外な一面だった。恩師との出会いは非常に大きな影響であり、友人たちとのやり取りも堅苦しい印象や気難しい印象を与えない姿に見えた。応用科学だけでなく基礎科学への一般的な理解を深めてほしいという動きが現状いまいち実を結んでいなく感じるのは非常に歯がゆい。なので、科学に少しでも興味のある人には読んでほしい。2019/12/08
のん
1
物理度素人の自分でも理解できる内容。さすが岩波ジュニアでございます。難しいニュートリノの話というよりも、小柴さんの生い立ちから生き様、ものの価値観の捉え方などなどがよくわかる、楽しい内容です。なぜ物理学に進んだのか…笑っちゃいました。おもしろい方ですね(*≧m≦)2013/02/07
がばいおばちゃん
1
エッセイ風なので物理オンチの私にもすんなり読めた。ノーベル賞の著書の華麗な人脈が明らかになった。また、面倒見のいい朝永振一郎博士のこともよくわかった。ニュートリノについては・・・?!2010/08/19
農明(ノウミョウ)
0
小柴さんの子供の頃からの生い立ち、研究者になるまでのいきさつが記載してあった。実験のほうが自分にはあう、という自分にこれしかないというものに出会うことは本当に大切なことと感じた。 研究者になってからの写真が、ほとんど作業着姿であり、現場や実験が本当に好きなお方だと思った。2016/07/17