出版社内容情報
日本はどんな価値観で組み立てられてきたのか。なぜそれが忘れられてきたのか。常に新境地を切り開く江戸文化研究者と古今東西の書物を読破し続ける編集工学者が、日本の来し方・行く末をめぐって侃侃諤諤の知の冒険!
内容説明
日本はどんな価値観で組み立てられてきたのか。なぜそれが忘れられてきたのか。常に新境地を切り開く江戸文化研究者と古今東西の膨大な書物を読破し続ける編集工学者が、日本の来し方・行く末をめぐって侃侃諤諤の知の冒険。デュアル思考で、日本の内なる多様性の魅力を発見する。
目次
1 折りたたむ日本
2 「国の家」とは何か
3 面影の手法
4 日本の治め方
5 日本儒学と日本の身体
6 直す日本、継ぐ日本
7 物語とメディアの方法
8 日本の来し方・行く末
著者等紹介
田中優子[タナカユウコ]
法政大学社会学部教授、国際日本学インスティテュート(大学院)教授。2014年度より法政大学総長。専門は日本近世文化・アジア比較文化。『江戸の想像力』で芸術選奨文部大臣新人賞、『江戸百夢』で芸術選奨文部科学大臣賞・サントリー学芸賞。その他著書多数。2005年度紫綬褒章
松岡正剛[マツオカセイゴウ]
工作舎、東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授などを経て、現在、編集工学研究所所長、イシス編集学校校長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
115
このお二人の本は何冊か読んでいるのですが、さすがにこのお二人が対談をされると自分の頭までが覚醒されるような感じになってきます。それだけに読みやすい素晴らしい本でした。日本の根源的なものを時代を超えてさまざまな文献などから探っていきます。編年体的な話ではなく、さまざまな時代から時代へ行くのがいいですね。再読候補の本です。2018/09/19
アキ
76
日本が好きで日本とは何かを知ろうとしてきたお二人の対話の内容が凄すぎて、ほんの僅かしか理解出来てないと思う。繰り返し言われてたのは「デュアル」という方法。漢語と和語、真名と仮名、神と仏、儒と仏、天皇と幕府など。中と外をうまく折りたたみできてきた。また国家の言葉に注目し、十七条の憲法から使われてきた言葉と明かされる。聖徳太子の時代から国の家と呼ぶほど、家は普遍的なのだろう。おふたりとも子どもの頃、色っぽい世界に触れていたという共通点がある。田中氏は「やつし」、松岡氏は「もどき」を方法論のキーワードに挙げる。2020/08/09
しゃが
45
知的なエキサイティングな対談だった、お二人は江戸文化研究者田中優子さんと古今東西の書物への造詣が深い編集工学者松岡正剛さん。日本を知り、考える材料となった。「内なる日本と外なる日本」「善と悪」「表と裏」「天皇と将軍」「神と仏」など日本の歴史文化、思考、価値観の二つのモノ・コト・イシキで出来上がってきた、本来多様性で構築されてきたと古今東西の歴史から紐解いていく。ほとんど「へぇ~」の連続、消化できなかったことも多かったが、面白い。それでも感想をまとめるのは難しい、この本のさすがなところかもしれない。2018/01/11
壱萬弐仟縁
43
日本問答とは日本について問答する、日本に問答をふっかける(ⅱ頁)。田中先生:大事なのは個人や個性の質。社会に何をおこしたのか、歴史から何を引き出して何を付け加えたのか、どのような言葉を与えたのか、多様な働きを通して質を見る(18頁)。松岡先生:石門信学は講席童話。門下の手島堵庵がそれをノウハウ本のほうに広げた。日本の陽明学も質からいうとかなりあやしい(26頁)。田中先生:インド人もイスラム教徒以外は現実の生活に根ざした家庭のなかの信仰で育ち、かならずしも普遍宗教に拠ってはいないということです(131頁)。2018/06/17
スプーン
39
舌を巻く対談本。日本は何もかも受け入れる「和」の国であり、歴史には「内と外」があると説く。(私が)無知過ぎて感想が書けない一冊。2022/01/25