出版社内容情報
「ひとり死」の時代になりつつある今、火葬のみのお葬式や、共同墓や無縁墓などがさらに広まっている。個人は死後のことを悩み、自治体も難題に直面している。海外の最新事情は。具体的な事例とともにこれからを考える。
内容説明
“ひとり死”の時代になりつつある今、火葬のみのお葬式や、共同墓がさらに広まり、墓の無縁化も進んでいる。個人は死後を誰に託したらいいのかを悩み、自治体は身寄りがいても遺骨を引き取らないケースが増えているといった、新たな課題に直面している。日本各地の具体的な事例とともに、これからを展望する。
目次
序章 社会が変われば死も変わる
第1章 何が起きているのか
第2章 お葬式は、どうなるのか
第3章 お墓は、どうなるのか
第4章 “ひとり死”時代で葬送はどこへ
第5章 誰に死後を託すのか
著者等紹介
小谷みどり[コタニミドリ]
大阪府出身。奈良女子大学大学院修士課程修了後、ライフデザイン研究所(現、第一生命経済研究所)に入社。現在、主席研究員。博士(人間科学)。専門は生活設計論、死生学、葬送問題。国内外の墓地や葬送の現場を歩き、大学で生活経営学や死生学を教えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
89
<終活>という言葉があるが好きではない。しかしこれからの時代少子高齢化や生活がいつ行き詰まってしまうかもしれない時代、自分のエンディングは自分でということも多いせいだろう。この本ではいま日本で葬式や死に対してどんな状況にあるのか、また現在のお墓事情やだれに死語後を託すのかなどが書かれていた。日本は2000年以降急速に男女ともに長生きする人が急増したり認知症患者がいかに増えているかも述べられていた。あと5年10年経過した時現在よりもっと事情が変化していることは間違いないと思った。図書館にて2018/02/23
おさむ
39
著者は葬送問題の女性研究者。終活という言葉に見られるように多死時代を迎えた日本の墓や葬式の最新事情を海外の事例も交えて紹介している。2年前に家族を亡くしたので、興味深く読んだ。「○○家の墓」が浸透したのは明治の終わりと歴史が浅いこと。東京では納骨堂をお墓代わりに使う人が増えており、墓が足りないというのは誤解。散骨は規制がなく撒く人のモラルに任されている。欧米では墓地のリサイクルが一般的‥などトリビア情報も多い。台湾の合同葬儀やスウェーデンの葬式税など、行政の葬送へのさらなる関与が日本も必要な気がします。2020/11/29
kenitirokikuti
12
気がつけば、21世紀も20年近く過ぎている。本書は、平成の高齢化が昭和の高齢化とどう異なるのかをくっきり描き出す。俗に人生80年というが、死亡者の過半数がほんとうに80才以上になったのはこの10年代のことだ。かつて家督を継ぐという関係上、葬儀には後継ぎのお披露目という重要な機能があった。いまは、子の還暦を親が祝う時代である。親が90過ぎで死ぬとき、息子が70の要介護状態という例もさほど稀ではない。村落にも葬儀を行う余力がない。葬送会館は始め都市に作られたが、田舎にも必要となっている。しんどい話だ…2017/12/03
圓(まどか)🐦
11
某漫画の「俺の墓標に名はいらぬ」で全然構わないけれど、ただ死後にかける迷惑は必要最小限にしたいという思いで読書。読んで実感するのは今後自分の死を託せる家族や友人のいない人が増え続ける一方であり、安心して死ぬにも行政のサポートがそれに比例して必要となるということでした。本の内容にもある通り、実際の死後は自分の手ではどうにもならない。とはいえ自分の力のみではつながりを作ることも難しい社会なのでやはり単身者向けに力を入れたサポートを願う気持ちが募ります。現代の葬式や墓は社会の縮図という意見は同感でした。2021/09/18
ちーたん
9
自分の死んだときのことをよく考えているので読みました。 お葬式を近所衆であげるのは大変なことだと思っていました。私は今世代なので、火葬だけしてもらって、灰はごみとして捨ててもらいたいなと思っています。お金は生きている人に。2018/01/12