岩波新書<br> 「私」をつくる―近代小説の試み

個数:

岩波新書
「私」をつくる―近代小説の試み

  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2024年04月25日 17時43分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004315728
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0295

内容説明

小説とは言葉で世界をつくること。その仕掛けの鍵は、「私」―。日本近代小説の歴史は、明治期に生まれ普及した言文一致体によって、いかに「私」をつくりだすかという作家たちの試行錯誤の連続であった。「私」とは何か、小説とは?漱石や太宰らの作品を鮮やかに分析。近代小説の本質に迫る、全く新しい小説入門。

目次

第1章 演技する「私」―近代小説の始まり、二葉亭四迷の実験
第2章 「私」をかくす―「三人称」のつくり方、夏目漱石の試み
第3章 「あなた」をつくる―読者を誘導する仕掛け、志賀直哉と太宰治
第4章 「私」が「私」をつくる―回想の読み方、つくり方
第5章 小説を書く「私」―メタ・レベルの法則、『和解』を書いているのは誰か?
第6章 憑依する「私」―幻想のつくり方、泉鏡花、川端康成、牧野信一の世界
第7章 「私たち」をつくる―伝承のよそおい、『芋粥』の中の文壇
第8章 「作者」を演じる―「私小説」とは何か

著者等紹介

安藤宏[アンドウヒロシ]
1958年、東京に生まれる。1982年、東京大学文学部卒業。87年、同大学院人文科学研究科博士課程中退。同文学部助手、上智大学文学部講師、助教授を経て、1997年、東京大学大学院人文社会系研究科に着任。現在、東京大学教授、博士(文学)。専攻、日本近代文学。著書『近代小説の表現機構』(岩波書店、2012年、やまなし文学賞・角川源義賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

103
近代私小説についての論考で私には非常に面白い視点で楽しめました。私小説論についてはむかし中村光夫さんの本を読んだことがありましたがまた別の観点から論じられていて楽しめました。とくに第7章の「私たち」をつくるの作品を読むときにはその作者の生い立ちなどを意識するというところが新鮮に感じました。言われてみればそうだなあと感じるところがあります。2018/08/24

佐島楓

55
近代小説のなかで、人称の問題はどう移り変わってきたか。太宰を引いている部分が多いので、好きな方には楽しく読めるだろう。小説の書き方の参考にもなりそうである。2016/02/24

かふ

20
日本の近代小説の「私」小説論。一人称で語り手が語る「私」のあり方について、いかに「私」を作り出すか(田山花袋『蒲団』)、また「私」を隠して三人称で客観的に魅せるか(夏目漱石『三四郎』)、あるいは「私」を演じるか(太宰治『晩年』)。明治大正時代は想定している読者層が同人誌や学校仲間で見えていたけど昭和の初めになってくると活字出版の盛況でそれまでとは桁外れに読者が一般化してくる。内輪ネタ(文学者の文学)でやっていた文学からの社会的理念の文学になっていく。そのなかで芥川龍之介の変貌が興味深い。2019/12/04

Takayuki Oohashi

17
私たちが当たり前のように読み書きしている「一人称小説」と「三人称小説」が明治・大正の作家たちの涙ぐましい努力の上に出来上がったものだということが分かりました。特に漱石の「~た」と「~である」の使い分けの説明が印象に残りました。大塚英志さんがよく引き合いに出す田山花袋の「蒲団」も出てきて、今のラノベのことを語るにしても、近代小説の長い蓄積を抜きでは語れないことが分かったような気がします。この手法で、今のラノベの文体を分析したらどうなるかな、と夢想しました。2016/02/04

Automne

16
小説というものについて深く深く深く考えさせられる。メタメタな表現、文壇とトリックスター、人形浄瑠璃。視点だけでない、溢れるものを忘れぬよう。2019/06/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9977749
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。