岩波新書
季語の誕生

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  • サイズ 新書判/ページ数 208p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004312147
  • NDC分類 911.304
  • Cコード C0292

内容説明

季語はどのようにして生まれたのか。従来は、花・月・雪などの題目が揃った平安時代の美意識に起源をもつといわれてきた。しかし、季語誕生の底流には、縄文人以来長い間に蓄積された生活意識が民俗的伝承としてあったのではないか。芭蕉を季語の歴史を変革した先駆者と位置づけながら提言する新たな季語論。

目次

1 季語の歴史―どう考えられてきたか(季語はどのように生まれたか―和歌の時代;季語の本意の成立―連歌の時代;季語の本意の見直し―俳諧の時代)
2 季語の世界(雪・月・花という季語はどのように生まれたか;雪;花;月)
3 季語再考―縄文人の生活意識から探る(いのちを感ずる;季語の見直しにむけて;季感の定着まで;はるかな縄文人の声)
付録

著者等紹介

宮坂静生[ミヤサカシズオ]
本名・敏夫。1937年長野県に生まれる。現在、俳人、月刊俳句誌『岳』主宰。信州大学名誉教授。季題・季語体系の見直しを提唱し、季語深耕、地貌季語発掘につとめている。第45回現代俳句協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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kaizen@名古屋de朝活読書会

45
#感想歌(感想を短歌形式で) 季語由来言葉の源(源)語源(ごげん)識(し)る遊び芸術境界は無し2016/12/26

yamahiko

17
季語のあるべき位相を土地を立脚点としてとらえ直す。実作者ならではの提言であり、説得力をもった一冊だと感じました。あー旅に出たい。2016/11/20

浅香山三郎

10
単に俳句の季語だけを射程にしたものかと思つてゐたら、さうではなく、『万葉集』や『古今和歌集』さらには、発掘資料から推定される宇宙観の話まで、層の深い文藝論。いろいろ示唆に富むが、「季題の成立は私的幻想を失い、新たに共同幻想を獲得することばの危うさに立っていた」といふ事や、さうしたなかで、季語の刷新を模索した芭蕉の仕事の意味がよく分かる。古典のもつ虚の世界から学びながら、俳人各自の実地の季節感覚をもつといふありやうの探究が、意欲的に示されてゐる。2021/12/18

葵李

3
レポートの参考資料に、と思って読み始めたら結構読み込んでしまった…。歳時記の定義については、俳句作り7年目にして確かに、と考えさせられました。季語が生まれた背景を考える、というのは今後の創作活動の上で非常に役立ちそうです。2014/03/07

時折

3
季語の、歴史的定型性と、むしろその逆の新たな創造性の、せめぎ合いの中に生成されていく存在価値に、ハッとさせられました。2011/02/12

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