岩波新書
ダーウィンの思想―人間と動物のあいだ

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004312024
  • NDC分類 467.5
  • Cコード C0245

内容説明

ダーウィンはいかにして生物学から神を追放し、人間と動物をつないだのか。ビーグル号の航海に始まり、主著『種の起源』と『人間の由来』に至る思想的成長の道筋をたどる。自然淘汰・種の分岐の原理、進化の偶然性とデザインの問題、進化と道徳の関係を明快に解きほぐす。徹底して人間を動物界に投げ戻すダーウィンの真骨頂。

目次

第1章 ビーグル号の航海
第2章 結婚と自然淘汰説
第3章 ダーウィンのデモン―進化の見えざる手
第4章 種はなぜ分かれていくのか―分岐の原理
第5章 神を放逐―設計者なしのデザイン
第6章 最後の砦、道徳をどう扱うか

著者等紹介

内井惣七[ウチイソウシチ]
京都大学名誉教授。1943年生まれ、1965年京都大学工学部卒業、1967年京都大学文学部卒業。1967年京都大学人文科学研究所助手、1968‐71年ミシガン大学に留学、1971年同大学Ph.D.。1979‐90年大阪市立大学文学部講師、助教授を経て1990年京都大学文学部教授。2006年退職。専攻は科学哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんすけ

17
《図休再読9》 緊急事態下で野性動物たちが街や海岸に多く観られるようになった。外出する人間が減って空気が洗浄されたことが原因のようだ。ある意味では現在のウイルス禍は行き過ぎた文明への警告であり、人類淘汰の証のようにさえ想える。 この観点に立つと、各行政から発せられる言葉に端々の「密を避けよ」は、ぼくには全体主義しか感じられない。 何故なら、発(暴)言者の根底には生命の長期存続を否定しているようにさえ観えるからである。 そんな思いに浸っているときに本棚の手近な場所にあった本書の存在に気づいた。 2020/04/25

うえ

7
近年の研究に触れる後半部分がとても役に立つ。「ド・ヴァールは、最近の著書『あなたのなかのサル』で、チンパンジー観察で大いに参考になったのは、生物学者の本ではなく…マキャヴエッリの『君主論』だったと感慨を述べている。なぜなら生物学者は…意図や動機や感情について語るのを毛嫌いするが、チンパンジー社会を観察して何が起きているかを語ろうとすると、まさにこういった言葉なしではどうにもならないことに気づかされたからである。しかし、これは、ダーウィンが今から百四十年も前に、彼の道徳起源論でまさにやっていたことなのだ!」2022/02/13

こにいせ

6
労作。筆者は、ダーウィンがたどった生物進化の仮説を丹念に再現している。キリスト教的な創造説を、真に科学的に、実証的に突き詰めていくと、反駁せざるを得ないダーウィンの心境はいかがなものだったのだろうか。最終章の、人間の道徳観念を進化論に当てはめる試みは非常に興味深い。遺伝子工学が革命をおこし、人間の生命の倫理が議論される昨今、この本の最後は問題を解くピースになり得るのではなかろうか。2010/03/04

スミレ雲

4
【図書館本】ダーウィンについて、初めて真面に読んだなぁ。発生と進化。分岐の原理。2019/03/11

なつめいろ

3
ダーウィンが進化説の着想を得るまでの経緯説明は伝記風で面白かったし、自然淘汰説や分岐説の論理も分かりやすかった。意外だったのは、動物の進化説は当時ダーウィン以外誰も到達できなかったわけではなく、匹敵するライバルが結構いたこと。ダーウィンのすごさは動物の進化説を人間にも平気で拡張したことにあるようだ。彼のこうした傾向が形成された背景として、自然科学者のように現象を虚心に観察しそれに基づいて議論を組み立てるというヒュームの「実験的推論方法」の影響が語られる場面は本当にワクワクした。2014/12/07

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