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岩波新書
日本庭園―空間の美の歴史

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  • サイズ B40判/ページ数 235p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311775
  • NDC分類 629.21
  • Cコード C0270

内容説明

京都・龍安寺の枯山水、東京・小石川後楽園の回遊式庭園、あるいは茶室の露地の佇まい。日本各地に残る名園は、時代時代の様式を持っている。祭祀や儀式の場に始まり、鑑賞の対象となり、社交の舞台ともなった庭園の美の変遷を、縄文から近代にわたってたどる。歴史を知ることで、探訪の楽しみが一段と深まるに違いない。

目次

第1章 庭園の始まり―縄文・弥生・古墳時代の屋外造形
第2章 飛鳥の園池―大陸伝来の庭園造り
第3章 平城京の庭園文化―日本庭園のデザインの起源
第4章 王朝貴族の舞台装置―立地と景観を活かす
第5章 作庭の新たな担い手―禅と鎌倉・室町の造形
第6章 数寄の空間―乱世の美意識
第7章 「大名庭園」と行楽の場―定着する庭園文化
第8章 近代の日本庭園―象徴主義からの脱却
終章 文化資源としての日本庭園―次代へどうつなぐか

著者等紹介

小野健吉[オノケンキチ]
1955年、和歌山県生まれ。1978年、京都大学農学部林学科卒業。現在、文化庁主任文化財調査官。農学博士。専門は日本庭園史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

114
海外で、日本庭園に出くわすことがあります。規模の小さいものが多いですが、中には、十分な大きさのものもあります。日本人でも日本庭園について語れるだけの知識はない。手軽に読める新書はありがたい。三重県伊賀市の城之腰遺跡を本書で知りました。奈良県御所市の南郷大東遺跡も。 琉球王家の識名園を知っていれば,沖縄に行ったときに訪問できたのに,,, 「湧水・流路祭祀」と「水槽祭祀」とうい分類も知りませんでした。 できれば、英語版の岩波新書も作って欲しいかもしれません。 http://bit.ly/10CJ7MZ2013/05/06

レアル

46
飛鳥時代~平安時代にかけての庭園の経緯を知りたく手に取る。この時代にかけての庭園の歴史が特に詳細に描かれているが、こちらそれ以外の時代の日本庭園の歴史の概要がよく分かる。歴史も近代になるにつれて現に庭園が残っていたり、また書物などから知る事が出来るが、形が残っていなかったり、遺跡として発掘される古代のものやそれ以前の庭園の礎となるものの歴史を知るのはとても楽しい。いやいや、それ以前に日本人の美意識の高さにあっぱれ!と改めて感じさせられる一冊。2021/01/03

アイス1億円

6
日本庭園の歴史を知った後は、実際に見に行きたいですね。ちょっと本気で考えてみようかな。2015/06/13

chang_ume

5
意外と類書に乏しい日本庭園の簡便な通史。時代や事例単位で分かれがちな、従来の庭園史理解を再配列してくれる内容です。とりわけ飛鳥〜奈良時代にかけて生じた、幾何学プランから不整形プランへの変化について、朝鮮半島(新羅)から中国王朝(唐)へと造園ルーツの移行に求める理解は新鮮でした。ただ不整形な苑池汀線は、その後永く日本庭園の中心的な規範となったこともあり、大陸からの文化伝播に加えて、思想的背景も含めた受容側の論理を深く知りたい気持ちも生まれました。なぜ日本庭園は「池」を造り続けたのだろうか。2017/11/11

Hiroshi

2
著者が日本庭園の歴史について広く一般の方々に知って頂きたいという思いで書いた本。古代の庭園の実態が発掘調査で明らかになり、最近日本庭園史の研究は進展している。庭園を広く「空間的・時間的美意識のもとに造形された屋外空間のありよう」と定義するのであれば、縄文時代に現れた環状集落の立地もランドマークとなる秀麗な山を望める場所が意図的に選ばれ、祭のための配石遺構が優れた景観を持つ場所が選ばれたことから、縄文時代に庭園が在ったことになる。弥生時代の環濠集落でも同じだ。前方後円墳は、周濠に墳丘が浮かぶ姿は庭園である。2018/08/13

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